1996年から2000年にかけて刊行された書道誌『書の宇宙』全24冊をお譲りいただきました、ありがとうございます!

古今東西の美麗な書を高品質な図版にて収録することで、「書の姿」そのものが表現する宇宙を再発見する試みを実践しています。いわゆる原始時代の甲骨文字や石刻文にはじまり、中国としていくシリーズです。

書に関する全ての問いかけにこたえようとする石川九楊による「書の宇宙」「図版+干渉のポイント」「この書をこう見る!」、人の心と手の軌跡である書の中に人間のドラマを見出す草森紳一の「心と手、心の手、手の心」、日中の書論を軸として、それぞれの時代の書を検証する福田哲之、大野修作、古谷稔「書と書論」、漢字文化圏の諸相を解説する硯学の寄稿「東アジアの時空」などの、深く書の在り方を追求する記事で構成されています。

その傍ら、本書では謙虚な書の「シロート」の味方として、夏目房之介がコラム「筆線の狩人」を担当。この時期の夏目は漫画評論家として、漫画の描画テクニックやコマ運びに着目した分析手法を採用していました。そうした夏目の技術的な表現技法への着目に対し、本書の主筆である石川九楊は書に対する分析方法との類似性を指摘し、高く評価していました。
夏目は書の専門家とは異なる視点からの切り口で、例えば第1冊のコラムは「イタズラ描きの記憶」第3冊「木簡はカラオケである」第5冊「曹全碑のあだな寝姿」など、いい意味で俗っぽく、読んでみたくなるユニークなタイトルが並びます。

24冊全て初版、帯付きのものもあり、大事に保管していただけたことが窺えます。古書店三月兎之杜では、各種書道関連書籍の買取をお待ちしております。

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投稿者:taguchi

大石凝霊学全集 トップ画像

天保年間に生まれ、大正初頭に没した国学者・大石凝真素美の全集(全3巻揃)をお譲りいただきました、ありがとうございます。

大石凝は言語論、宇宙論、進化論を含む霊学体系に基づいた神秘的な学説を唱え、同時代に生き鎮魂帰神学を提唱した本田親徳と並ぶ古神道復興と神道霊学成立の二大源流とされています。

大石凝霊学全集 中トビラ

事実、彼らより後に登場した出口王仁三郎と大石凝は直接の交流を持っております。また、天行居の友清歓真、神政龍神会の矢野祐太郎、生長の家の谷口雅春、日月神示の岡本天明、世界救世教の岡田茂吉、真光文明教団の岡田光玉など、多くの神道系宗教家の教説の中に、大石凝の影響が認められています。

これらの影響を確認できるのが今回の霊学全集です。大石凝の著作は大正年間に大本教の機関紙に一部が発表されたほか、水野満年による私家版として全集かされ刊行されています。しかしいずれも非常に入手困難であり、昭和56年に八幡書店から復刊されるまでは稀書中の稀書ともいわれていました。

大石凝霊学全集 ケースと表紙

その昭和の復刊版も瞬く間に品切れとなり、今回の全集は平成17年に刊行されたものとなります。旧全集に収録した著述に加え、未公開だった著述をも併せて収録。構成も新たに組みなおした大石凝研究資料の決定版として刊行されたものとなります。

大石凝霊学全集 第1巻奥付

内容は、例えば第1巻では、多くの神道系教団に影響を与えた宇宙創造の秘奥を伝える「天地茁廴貫の極典」や、三種の神器の意義などを開示する「三種神器の御謂礼」、日本の弥勒信仰をはじめとする仏典に独自の霊学的解釈を加えた「仏説観弥勒下生経」「弥勒出現成就経」ほかを収録しています。同様に第2巻では天津金木の運用の秘法を公開した「天津神算木之極典」と「大日本言霊」を収録。第3巻では古事記の研究分野を大別分類し、独自の解釈を展開した「真訓古事記」を収録しています。

大石凝霊学全集 背表紙

古書店三月兎之杜では、神道の各種専門書の買取をお待ちしております。個人のお客様からはもちろん、図書館や神社、お寺の所蔵する各種学術書の買取も出張買取にて対応させていただきます。ぜひご相談ください。

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投稿者:taguchi

『西川寧著作集』全10巻 二玄社 トップ画像

20世紀を代表する書家・西川寧の著作集(全10巻揃)をお譲りいただきました。1902年(明治35年)に生まれ昭和が終わった直後の1989年5月に亡くなられた、まさに「昭和の三筆」の一人。「書の巨人」とも呼ばれ、現代書道に大きな影響を及ぼす強いインパクトのある作品を残しています。

また、金石や中国文学の研究にも勤しみ、西域から出土した木簡や帛書(絹に書かれた書)を書道史的に研究。古文書書家として初の文化勲章を受章しています。寧の父は明治から大正にかけての書の大家であり、寧自身も幼少時から父の集めた書跡や拓本を玩具替わりにして親しんでいたといいます。

昭和8年には父・春洞の系統を中心とする謙慎書道会(謙慎は春洞の堂号に由来しています)を創立しました。さらに寧の息子である西川杏太郎は美術史の研究家であり、日本彫刻史や文化財保存学を専門としていました。杏太郎は2023年に没していますが、1993年に発行された本書の編集にも参加しています。

本書では第1巻から第3巻にかけて『中国書法叢考』を収録。さらに第4巻の『西域出土晋代墨蹟の書道史的研究』では図版も最多点数の120点を収録。5巻は現代書考、以後雑纂(6~8巻)、周詩溯源/文苑(9巻)、展観解題/書論集成/書人輯略(10巻)など、寧の各著作や、中国および本邦の書論等を収録。

中国書史についてはもちろん、西川春洞から寧へと受け継がれ杏太郎が編んだ、明治から昭和にかけての近代日本の書史・書学の親子三代の集大成といえるでしょう。

『西川寧著作集』全10巻 二玄社 背表紙

古書店三月兎之杜では、書道に関する専門書の買取をお待ちしております。各種専門書の中でも書道関連書は、収録される図版も多くなりがちで、判型も非常に大判かつ分厚くなるケースが多いと思います。そのため荷造りや発送作業も大変なのですが、当社では量に応じて出張買取も行っております。ぜひご相談ください。

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投稿者:taguchi

ディズニー マジカルオーディオえほん

デアゴスティーニより刊行されています『隔週刊 ディズニー マジカルオーディオえほん』の1~80号をお譲りいただきました。この度は三月兎之杜にお売りいただきありがとうございます。

ディズニーキャラクターたちが総出で出演している絵本で、多くの作品を付属スピーカーを通して読み聞かせてくれる作品です。各フィギュアをマジカルスピーカーの上に置くとその作品の絵本を読んでくれる魔法のようなアイテムです。

刊行数に準じた作品が小さな子供がいる家庭から、ディズニーファンまで幅広い層から支持を得ているラインナップになっています。視覚的にどの作品を読んでいるかが一目瞭然で、人気が出る理由がよくわかりますね。

隔週刊 ディズニー マジカルオーディオえほん

マジカルオーディオえほん
創刊日2020年10月20日
完結日(全80号)2023年10月31日
総額(全80号)241,442円
増刊分(全130号)2025年予定
総額(全130号)331,392円(仮)

2020年10月20日より刊行された『隔週刊 ディズニー マジカルオーディオえほん』ですが、初陣を飾ったのは『ライオンキング』でした。知名度や絵本としての完成度も申し分ないので納得ですね。2023年10月31日に発売された80号で完結予定のシリーズでした。80号ではピーターパンでお馴染みの『ティンカー・ベル』が登場しました。ティンカー・ベルの誕生に焦点を置いた内容で、作品の繋がりも相まって、ピーターパンがより味わい深い作品になります。

集めて楽しいラインナップのシリーズでしたが、人気が高く延長が決定されました。全130号を予定されていて、順当に隔週で発売されるなら2025年10月前後に完結予定になるかと思います。

ディズニー マジカルオーディオえほん フィギュア

ディズニー マジカルオーディオ フィギュア

オーディオ用に登場するフィギュアは出来栄えが良く、絵本の内容について想像力を掻き立ててくれる造形です。作品の特徴を捉えていて、作品が飛び出してきているような内容です。

ディズニー マジカルオーディオ フィギュア②

人気作品が多く登場しており、知らない作品についてもマジカルオーディオで知り好きになることもあると思います。

ディズニー マジカルオーディオ フィギュア③

作品の内容が気になれば映像作品でストーリーを補完したり、ディズニーランドに赴き作品を堪能することも可能です。親子で楽しめる作品が多いですね。

ディズニー マジカルオーディオ フィギュア④

改めて作品群をフィギュアから眺めると作品数の多さに驚かされます。ディズニーの歴史が始まりちょうど100年が経ちましたが、未だにディズニー作品が生まれているのを見ると人気と歴史に圧巻ですね。

ディズニー マジカルオーディオ フィギュア⑤

増刊号は主に人気作品を更に深堀するような内容となっています。原作を知りもっと作品を深く入りたいという方にもお勧めできるシリーズです。

古書店 三月兎之杜ではデアゴスティーニの買取を行っております。刊行途中や途中が抜けているシリーズも買取を行っております。

詳しくは、古書店三月兎之杜のデアゴスティーニ買取のページを是非ご覧ください。

デアゴスティーニの買取につきましてお気軽にご相談ください。

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フリーダイヤル:0120-996-504(10-20時/年中無休)

皆様からのご相談を心よりお待ちしております。

投稿者:usagi

友清歓真全集 全8巻揃 八幡書店 トップ画像

明治生まれの宗教家・友清歓真の全集(全8巻揃)をお譲りいただきました。出口王仁三郎らによる大本教に所属。後に袂を分かち、自ら霊学の実践団体「格神会」(後の新宗教団体「神道天行居」)を設立。全集第1集に収録されている『霊学筌蹄』は、霊学の古典とも称され、三島由紀夫の『英霊の声』にも影響を与えるなどしています。

当初は雑誌「東亜評論」を発行するなどの政治運動をしていましたが、霊的方面に目覚め、密教や神道を修行し、たびたび山籠もりをするようになります。
大本教の政治的主張に共鳴し、浅野和三郎を介して大本教へと入信。機関紙の主筆となるなどその才覚によって浅野と並ぶ幹部として活躍していました。この時期に著した『皇道大本の研究』は、第一次事件前の大本の教義や当時の雰囲気を伝える貴重な一次資料でしたが、後に友清が離反して反大本の急先鋒となったことで、大本からも
天行居からもその存在をないものとして扱われることになります。同書は近年の復刻で再評価されます。

大本脱退後は、明治時代の神道家・本田親徳の弟子である長沢雄楯より本田の教えを学びます。長沢は出口王仁三郎の師でもあり、友清は大本を批判する『乾坤一擲』や『事実第一』などを表します。また、同じく本田の弟子の佐曽利清からは本田直伝の鎮魂法を学び『鎮魂帰神の原理及び応用』を表します。こうして大本批判のみならず独自の研究を進め、「格神会」結成に至りました。この時期に『鎮魂帰神の極意』『神仙霊典』などを表しています。

以後も格神会を「天行居」へと発展させつつ神道霊学の名著『霊学筌蹄』、その事実上の続編とされる『天行林』を著します。ほかにも『闢神霧』『古神道秘説』などを発表します。

友清歓真全集 全8巻揃 八幡書店 

今回の八幡書店の全集は1985年から1989年にかけて編纂されたものとなります。大本批判などの著作は除き、友清自ら立ち上げた格神会以降の著作や、本田親徳の遺稿や自身(磐山)の手記や語録なども収録しています。当全集と、同じく八幡書店からリリースされている『幽冥秘録 神仙霊典』そして『皇道大本の研究』などの著作とあわせることで、友清の歩みが俯瞰できるでしょう。

古書店三月兎之杜では友清歓真をはじめとする神道の各種研究書の買取ご相談をお待ちしております。大量買取にはご自宅に直接伺っての出張買取を承り中、まずはお気軽にご相談ください!
詳しくは、神道・古神道の専門書の買取ページをご覧ください。

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投稿者:taguchi

『パーリ仏典』片山一良訳 トップ画像

大藏出版刊、仏教学者の片山一良による訳の『パーリ仏典』シリーズをお譲りいただきました。ありがとうございます。

パーリ仏典は釈迦が説いた様々な説話をパーリ語で記したものとなります。説話とはいわゆる説法、悩みを抱く人に対しものの考え方を説いたり、あるいは様々なたとえ話を伝えることとなります。

釈迦入滅後、その教えは弟子たちの記憶や暗唱によってのみ受け継がれていくことになりました。しかしそれではやがて説法のかたちは薄れ、異説が混じったり、散逸する可能性があります。そのため弟子たちが集まり、各自の記憶をまとめての説話のとりまとめと記録・編纂が行われます。

その集まりを「結集」と呼び、1回目は釈迦の死後まもなく実施。マハーカーシャパやアナンダ、ウパーリといった釈迦に直接教えを請けた直接の弟子たちが編纂を手掛けています。2回目は入滅後100年頃、第3回は入滅後200年頃に実施されたといわれています。

その後南伝仏教でのみ、紀元前1世紀に第4回の結集が行われたとされています。ここまでは伝承の中の出来事ですが、1871年にビルマコンバウン朝の治世に第5結集が行われます。

そして現代に至り、1954年にビルマのヤンゴンで第6結集が実施されました。片山一良はパーリ語による原始仏教研究を専攻としており、今回お譲りいただいた『パーリ仏典』シリーズは、この時著された第6結集本を底本として訳しています。

『パーリ仏典』片山一良訳 第二期1 表紙

第1期全6冊は中部(マッジマニカーヤ)152経、第2期は長部(ディーガニカーヤ)34経を全訳します。そして第3期は相応部(サンユッタニカーヤ)を全10巻予定で全訳しますが現在(執筆時2024年1月)も刊行中で、2021年6月に9巻目となる大篇Ⅰが発行されました。

『パーリ仏典』片山一良訳 第3期3 表紙

今回は第1期全6冊、第2期1冊、第3期3冊というかたちでお譲りいただきました。刊行中ということもありますが、古書店三月兎之杜では全巻揃いでなくとも今回のように喜んで買取させていただきます。ぜひともお気軽にご相談ください。
古書店三月兎之杜の仏教書買取サイトはこちらです。

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投稿者:taguchi

日本神道史研究全10巻

1978年より1981年にかけて講談社から刊行された、神道学者・西田長男による「日本神道史研究」全10巻揃をお譲りいただきました。配本時に付属した月報もそろった状態です。ありがとうございます。

日本神道史研究 月報

西田長男は国学院大学出身。同大は神職の要請と古典研究のための教育機関だった皇典講究所を母体としており、まさに神道研究の専門機関です。西田は同大を卒業し、戦前は大倉精神文化研究所研究員、東京帝国大学講師を勤めました。

この間、内務省に勤務しつつ近代実証神道史学を確立した宮地直一に師事しています。西田の戦中の著作として「葉隠講話』(有精堂出版部)、「神道史の研究」(雄山閣)、「神道論」(躬行会・大倉精神文化研究所紀要)、「神々と国家」(明世堂)などを発表しました。

日本神道史研究1~5巻

戦後は国学院大学教授として教鞭をとり、1955年の「日本宗教の発生に関する一試論」でにて国学院大文学博士を取得。「日本古典の史的研究」、「日本宗教思想史の研究」、「神道史の研究 第2」(以上理想社)、「古代文学の周辺」(南雲堂桜楓社)、「神社の歴史的研究」(塙書房)を発表しています。

日本神道史研究6~10巻

このほか神道関連の書籍に「稲荷社の起源」「熊野九十九王子考」「岩清水八幡宮の剏立」「北野天満宮の創建」「輪島市重藏神社の如月祭」「春日大社の創立を一例として」などを寄稿。

日本神道史研究1巻

これらの長年の著作の結果として本著「日本神道史研究」はまとめられています。西田は日本人の創造的エネルギーの根幹として神道をとらえ、その本質と歴史を著しました。

「日本神道史研究」全体は総論編、古代編(上・下)、中世編(上・下)、近世編(上・下)、神社編(上・下)、古典編と、日本の神道を歴史的、学問的に俯瞰した構成となっています。西田博士の最晩年に著された、文字通りの集大成といえるでしょう。

古書店三月兎之杜では神道・古神道の専門書の買取をお待ちしております! 量が多い場合は出張買取いたします、ぜひご相談ください!
詳しくは、古書店三月兎之杜の神道の本買取ページをぜひご覧ください。

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岡潔先生遺稿集:第一集~第七集 トップ

数学の多変数函数論の研究における世界的な第一人者、岡潔。1901年に大阪に生まれ、1925年に京都帝国大学講師、1929年には同大学助教授となります。この時代の岡の講義をのちのノーベル賞学者、湯川秀樹や朝永振一郎らも受けており、(専門である)物理学よりも刺激的であったと語っています。

1929年より3年間フランスに留学し、この時多変数函数論を生涯の研究テーマと定めます。以後二十年をかけて夜昼なく研究生活に没頭、その理論の骨格を一人で完成させます。この研究の過程で当時未解決であったハルトークスの逆問題を解決し、世界中の数学者の注目を集めました。このほかにもクザンの第2問題という難問の解決に関する「岡の原理」なども発表しています。

研究者であると同時に教育者としても優れ、先述のように湯川博士らから高い評価を受けています。日本人の発想・思考については、西洋的インスピレーションよりも東洋的な情操や情緒を大切にすべきと提唱しています。数学以外の随筆でも『春宵十話』などの作品を残し、歴史においても神代から敗戦に至るまでを体系づけた日本人観を持ち、そうした歴史観に基づく教育論を展開しました。

それらの考え方は敗戦後の日本人のアイデンティティ形成にも影響したのではないでしょうか。ラジオやテレビ番組にも出演する機会が多かったようで、晩年の肉声のアーカイブなども残っています。芭蕉や万葉集の和歌なども引き合いに出し、西洋人にとっての自然が自分の外に対立するものとしてあるのに対し、日本人が内なる自然として捉えていることを語ります。

そうした日本人と自然の在り方から、岡自身の心のうちにある数学との向き合い方に繋がっていたと述べています。その音声ではこうした情操的な研究のあり方が当時(昭和30年代)の日本では足りなくなっているという意見でしたが、現在ではよりその希薄さが痛感できるかもしれません。ちょっとコスパだのタイパだの、合理的でありすぎることは果たして研究を突き詰めることにプラスになるんでしょうかね(個人の意見です)。

氏は生前に数学に関する十の論文と一つのノートを発表していますが、それ以外にも多くの未発表作品をノートにとどめていました。今回お譲りいただいた「岡潔先生遺稿集」は、氏の未発表の作品を弟子筋にあたる方々がまとめ、清書した肉筆出版物です。

序文を書いている西野利雄は90年代に「多変数函数論」という岡潔の功績に関する著作を発表しています。岡の死の直後、未発表論文の重要性に目をつけ、肉筆というかたちでまずまとめたその意義は、もしかしたらこれからの未来における発見にもかかわっていくのかもしれません。

古書店三月兎之杜では、数学書に限らずあらゆる分野の学術書に注目しています。ご家族が買った「なんだか難しい本」の買取のご相談をお待ちしています!

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投稿者:taguchi

URECCO 90'sバックナンバー1

1986年にアイドルグラビア誌としてミリオン出版から創刊された『URECCO|ウレッコ』と、同誌から2002年に派生するかたちで創刊したギャルメイクモデル中心の『URECCO gal』、増刊号となる『COSPET』をお譲りいただきました。

『URECCO』に登場するアイドルはセクシー系タレントやAV女優をスタイリッシュに撮り下ろしたグラビアが中心の構成でした。

URECCO 折り込みポスター

しかし末期はエロ方向へと方向性を変え、2007年に休刊します。最後の4冊は発行元が大洋書房に替わっていますが、両社は関連会社です。URECCOの頃は別社屋だったようですが、2010年代には同じ九段下の大洋ビルに同居していました。

URECCO 90'sバックナンバー2
URECCO 90'sバックナンバー3

同誌を発行していたミリオン出版は『URECCO』のほかにも90年代にはいわゆるお菓子系の先駆けとなった『クリーム』など、アダルトジャンルを中心とした出版社です。

しかし1986年にツーリング雑誌『アウトライダー』、1989年にレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』、1994年にはサブカル系雑誌『GON!』、1995年に元祖ギャル雑誌『egg』を創刊するなど、多彩なジャンルを展開していきました。

2000年代には『GON!』から派生するかたちで『実話ナックルズ』が創刊。また、「トランスフォーマージェネレーション(当初はケイブンシャ刊ムックの再版、のちに不定期刊行化)」シリーズなど、ホビーやコミックジャンルにも進出しています。

URECCO galバックナンバー

しかし2010年代に入ると社内体制の変更などに伴い、非アダルト向けブランド「グライドメディア」を三和出版傘下のメディアボーイに譲渡。トランスフォーマージェネレーションや昭和のヒーローものを中心とした復刻漫画をリリースしていた「ヒーローX」ブランドも、メディアボーイ、そして現在は竹書房に移行しています。

表4 奥付

エロスからオタク、モーターサイクル、アウトローまで、けっして大手とはいえない規模ながらも様々なメディアを創出したミリオン出版。最終的には2018年に母体である大洋図書に吸収され解散となりましたが、その魂は現在も様々なかたちで連綿と続いています。

そうした出版社や編集者に焦点を当てて、お手元のエロ雑誌を眺めてみても面白いかもしれませんよ?

URECCO、URECCO増刊 cospet

古書店三月兎之杜ではアダルト雑誌ほか、各種雑誌の買取をお待ちしております!

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投稿者:taguchi

オレンジ通信80年代

『オレンジ通信』は東京三世社からリリースされていたアダルト雑誌です。その創刊は1982年で、主にアダルトビデオやビニ本などの情報を紹介、平行してヌードグラビアなどを掲載していました。
今回は1980年代後半~1990年代初頭を買取させていただきました。有難うございまいた。

オレンジ通信80年代2

単なるカタログ雑誌の範疇にとどまらず、こうした性関連メディアを文化としてとらえ、「資料号」と銘打った増刊オレンジ通信などもリリースしています。80年代はいわゆる裏本、裏ビデオなどの情報も紹介していますね。

増刊オレンジ通信 資料号

同誌の人気を受けて80年代から90年代にかけて、AV・風俗情報や、ヌードグラビア誌として『アップル通信』(大洋書房)『アップル写真館』(大洋図書)『さくらんぼ通信』(大洋書房)『バナナ通信』(ラン出版)『マスカットノート』(大洋書房)『レモンプレス』(明文社)など、フルーツ系の誌名を冠するアダルト関連誌が乱立しました。

オレンジ通信80~90年代背表紙

80年代から90年代にかけては、AV・ビニ本などのメディアを核として、例えばAV女優のグラビア写真を集めた一冊や、素人投稿系などを集めたムックなど、読者の好みによってアダルト雑誌のジャンル分けが細分化していった時期だったと感じます。ギャル文化が台頭すれば、それに反発するかのように熟女モノがいよいよ一つのジャンルとして確立。また、70年代から伝統的に続くSM系のアンダーグラウンド的なジャンルも、背徳的な意味合いは薄れあくまでジャンルの一つとなっていきました。そうした嗜好の細分化に伴い、一つの雑誌がそれぞれジャンル分けされ、新雑誌の創刊へとつながっていきます。

しかしそうした細分化が読者の分散にもつながったのかもしれません。00年代以降は各種経済的後退に加え、インターネットで配信される画像・動画の普及によって、特にアダルト雑誌はいち早く出版不況の煽りを受けた印象があります。先述の各種アダルト雑誌は続々と休刊し、オレンジ通信も2009年にその幕を下ろしました。

オレンジ通信イメージ

こうしたアダルト雑誌の執筆陣には個性豊かでユニークな人物も多く、後に全く異なるジャンルで名をはせる人も多いようです。また、近年はアダルトメディア研究科の安田理央氏や美少女コミック研究科の稀見理都氏などによって、こうしたアダルト雑誌文化が見直される機会が増えているようです。

三月兎之杜ではお客様の趣味嗜好のためと同時に、文化史研究的な需要のためにも旧いアダルト雑誌の買取を強化中です。もちろん秘密厳守! 自慢のコレクションをぜひともお譲りください!

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投稿者:taguchi

藤子不二雄ランド全巻集合1

1984年から1991年にかけて週一(後に月2回2冊ずつ)刊行された、中央公論社(現:中央公論新社)の『藤子不二雄ランド(以下FFランド)』。全301冊揃という膨大な一大刊行物であり、今では個別に揃えることもかなり困難になった本セットを、全巻揃いにてお譲りいただきました、本当にありがとうございます!!

この一大事業ともいえる刊行物を、リアルタイムでも後年でも集めきり、全てセル画が付いたとてもきれいな状態でコレクションをされていたお客様に頭が下がります。


この物量ですので、今回お客様へお見積りをさせていただいた後、ご自宅まで伺う出張買取をさせていただきました。

藤子不二雄ランド ドラえもん1 セル画

1980年代前半の藤子不二雄ブームの盛り上がりはすさまじいものがありました。1979年の『ドラえもん』の再アニメ化にはじまり、80年の『怪物くん』、81年の『忍者ハットリくん』、83年に『パーマン』、そして84年から刊行された「FFランド」のアニメーション動画を使ったCMがこの時期放送中の藤子作品で流れ始めます。

85年には『オバケのQ太郎』『プロゴルファー猿』、87年『エスパー魔美』『ウルトラB』、88年『キテレツ大百科』『ビリ犬』、89年『パラソルへんべえ』『笑ゥせぇるすまん』『チンプイ』と、ほぼ毎年何らかの新作アニメがスタートする勢いでした。

この流れをたった二人の作家が生み出していたというのは、こうして振り返っても驚くしかありません。

藤子不二雄ランド 忍者ハットリくん
藤子不二雄ランド パーマン
藤子不二雄ランド エスパー魔美

ちなみに『ウルトラB』と『チンプイ』はこの「FFランド」の描き下ろし連載作品からのアニメ化です。「藤子不二雄ランド」は単行本であると同時に定期刊行物として、掲載マンガの解説や読者コーナー、そして新作マンガ(後に再録作も)の連載も行われていました。このへんは現在のパートワークに近いかもしれませんね。


収録作品はあくまで子供向けというコンセプトのため、青年誌に載った作品はほとんど収録されておりません。それでもこの多数かつ多彩な作品群には驚かずにはおれませんね。

藤子不二雄ランド全巻集合2

つい先日(記事執筆時2023年10月)もこのFFランドにも収録されている『T・Pぼん』のアニメ化が発表されました。藤子・F・不二雄先生原作によるタイムパラドックスを絡めた歴史SF作品で、1989年のテレビ特番に続いて2度目のアニメ化となります。

ひょんなことからタイムパトロール隊員になった主人公が、歴史の谷間で不幸な死を遂げた人々を救助する作品です。しかしタイムパトロールといえども同一地点への繰り返しの干渉はできないなどのほか、いくつかの制限が設けられています。

現在では時間系SFはリセットや平行世界論によってかなりお手軽に過去改変ができてしまっていますが、こうした原則一発勝負のルールの中での選択や決断が迫られる、ビターな作劇に注目してほしいですね。

藤子不二雄ランド「T・Pぼん」はどこだ?
『T・Pぼん』を探せ!
藤子不二雄ランド クイズ正解
正解はこちら

藤子不二雄作品は2000年代に入って「藤子不二雄Ⓐランド」と「藤子・F・不二雄大全集」に分かれて刊行されています。しかし二人一組で歩んだ時代の集大成ともなった「藤子不二雄ランド」全301巻が放つ輝きは、衰えるどころか今なお二度と戻らないあの時代を照らしていると感じます。いかん70年生まれには涙が……。

藤子不二雄ランド オバケのQ太郎セル画

古書店三月兎之杜では、コミック・小説、その他各種全集の買取をお待ちしております。全集ものは荷造りも大変ですが、段ボール箱の送付や、ご依頼の量に応じて今回のような出張買取もさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください!

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投稿者:taguchi

アシェット 週刊空母赤城  トップ
出典:アシェット

古書店三月兎之杜ではアシェット・パートワークアイテムの買取に力を入れております! 今回は発光、可動、さらに煙突からのスモークまで再現されたダイキャストギミックモデルの赤城をご紹介します!

アシェット 週刊空母赤城  側面
アシェット 週刊空母赤城  上面

航空母艦 赤城とは

旧日本海軍の航空母艦・赤城はもともとは天城型巡洋戦艦2番艦として建造開始されました。「八八艦隊」構想によって立案された天城型巡洋戦艦は、長門型を凌駕する火力を持ち巡洋艦に匹敵する速力を持つ挺ド級戦艦となる予定でした。

しかしワシントン会議と軍縮条約によって建造はストップ。同条約の制限下において航空母艦へと改造されました。艦名は巡洋戦艦時代に天城や愛宕、高雄など同様に山名からつけられていたものが、そのまま使用されています。群馬県を象徴する山でもあり、弊社のある羽生市からも望むことができます。

天城型1番艦も同様に空母に改造される予定でしたが、関東大震災によって損傷。天城型と同じ様にワシントン条約によって建造中止となった加賀型戦艦を改造して、航空母艦「加賀」が誕生しました。

ベースとなった艦体のタイプは異なるものの誕生の経緯や開発時期などから、加賀と赤城はあたかも姉妹艦のように扱われることも少なくありません。

実際ともに戦艦からの改造、当初は三段空母として開発されるも全通式に改装されるなど、空母運用に慣れていない旧日本海軍の実験台となっている点なども共通です。

アシェット 週刊空母赤城  艦名レリーフ

その空母加賀は、三段甲板のほか艦尾まで設置された煙突など構造的な欠陥を多く抱え、赤城よりも先に昭和9年に大改装を受けます。

そこで得られたデータなども参考に、赤城は昭和13年に改装。全通式甲板ほか、様々な改良を受けました。

煙突の取り回しは、それぞれの利点を図るためにあえて加賀と差別化されて右舷側に海面に向ける形で設置されていました。これは概ね問題はなかったようですが、改装後に第1煙突と第2煙突がまとめられています。

艦橋については右舷前よりの加賀に対し、今後の航空機の発達によって発進距離を長く、着艦距離は短くなるとの予想から、艦隊中央が理想とされました。

当時のレシプロ機は構造的に左に指向してしまうため、基本的に艦橋は右舷に設けられましたが、前述の煙突配置によって右舷に設置することができず、結果として世界的にも珍しい左舷に配置されています。

アシェット版赤城 各種ギミック

アシェット 週刊空母赤城 ディスプレイ台

アシェットの赤城は改装後の姿を1/250スケール・ダイキャストボディで再現。完成後のボディは全長1mを超えるものとなります。付属のリモコンや各種手動操作によって、「電動」「手動」「発煙」「ライト」「サウンド」のギミックを楽しむことが可能です。

1.艦載砲や機銃の可動で幻の防空戦を再現

アシェット 週刊空母赤城  20cm単装砲
アシェット 週刊空母赤城 12cm連装高角砲 
アシェット 週刊空母赤城  25mm連装機銃

艦体各部の20cm単装砲、25mm連装機銃、12cm連装高角砲などは、砲身旋回と砲声を鳴らすことが可能です。このうち12cm高角砲は電動で旋回。

2.発着艦の再現

アシェット 週刊空母赤城  零戦二一型
零戦二一型
アシェット 週刊空母赤城  九九式艦爆
九九式艦爆
アシェット 週刊空母赤城 九七式艦攻
九七式艦攻
アシェット 週刊空母赤城  零戦二一型翼端折畳状態
アシェット 週刊空母赤城  九九式艦爆翼端折畳状態
アシェット 週刊空母赤城  九七式艦攻翼端折畳状態

主翼を折り曲げた状態の艦載機を載せてエレベーターのギミックを作動させると、乗員落下防止の警戒音を鳴らせつつ、エレベータから艦載機が甲板上にせり上がります。ほか、アンテナマストや遮風柵が可動、着艦誘導灯が点灯します。

3.航行再現ギミック

アシェット 週刊空母赤城  煙突
アシェット 週刊空母赤城 主舵
アシェット 週刊空母赤城 誘導灯

特徴的な煙突方式を再現、右舷煙突から霧状のシャワーを発生させることが可能です。また、主舵の旋回や4軸のスクリューの回転はリモコン操作に対応。そのほかにも探照灯や艦内灯、信号灯、艦尾信号灯などの各種ライトが点灯し、艦首や艦尾のアンカー巻取りも作動します。

アシェット 週刊空母赤城  赤城艦橋

もちろんマガジンパートも各種戦記や記録を反映。第二次世界大戦までの世界情勢や海軍史などについて詳しく知ることができます。

「ダイキャストギミックモデルをつくる 週刊空母赤城」は2022年9月に創刊。全110号完結予定で、現在も展開中です。お手元で最終号まで完結・完成させ堪能していただいた後に、三月兎之杜に買取のご相談をご検討ください。完成品の赤城も買取も承っておりますので、ぜひご相談ください。

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投稿者:usagi

悲母記 表紙

2023年に生誕120周年を迎えた青森出身の板画家・棟方志功による限定15部の『悲母記』(ゑぞ・豆ほん|北海道豆本の会|昭和34年)をお譲りいただきました、ありがとうございます。(写真左。写真右は通常の限定240部頒布版です)

本作は志功によるエッセイ作品で、志功が20歳の頃に亡くなった母について触れており、24歳の時に亡くなった父を語った『哀父記』と対になる作品でもあります。

棟方志功は画家を志して上京し、やがて川上澄生の版画に感動して版画家へと道を定めます。佐藤一英の詩『大和し美し』から発想を得た同名作品が出世作となり、文学者や書家たちとの交流を深めていきます。やがて作品に裏彩色を取り入れ、また、自身の版画を「板画」と呼ぶことを宣言します。

戦後はさらに多くの作品を発表し、日本にとどまらず世界各地でも版画に関する賞を受賞しています。自身も取材旅行として各地へ渡航、アメリカでは板画展や講義を行うなど、版画を介した交流を拡げていきました。

晩年は「世界のムナカタ」とも呼ばれるほど、全世界にその名が知られるようになります。

悲母記 署名

とはいえ埼玉県民にとってはやはり「十万石まんじゅうの包装紙の人」と言った方が通るかもしれませんね。テレビ埼玉で流れるローカルCM、野田圭一(『一休さん』新右衛門、『がんばれ!!ロボコン』ガンツ先生ほか)のナレーションで語られる「うまい、うますぎる」は棟方志功の発した言葉です。

まだ志功が世界的にはその真価を認められていなかった昭和28年。十万石まんじゅうの掛け紙(包装紙)用の絵を依頼する際に持参された、十万石まんじゅうを食べての感想だったとのことです。もともと志功は甘党で、パッケージの絵も「もし忍城の姫が生きていてこのまんじゅうを食べたなら、同じことを言うに違いない」という意味で、お姫さまがまんじゅうを食べている絵と、「うまい、うますぎる」の言葉が描かれています。

参考URL:https://www.jumangoku.co.jp/birth/

棟方志功作品をはじめ、様々な作家さんの豆本買取大歓迎! 
十万石まんじゅうのお膝元・行田市の隣となる羽生市での店頭買取や、羽生市からの出張買取も行っております。まずはご相談を!

三月兎之杜では豆本の買取を行っております。詳細は豆本買取ページをご覧ください。

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投稿者:usagi

デアゴスティーニシリーズでも人気の高いDVDコレクションシリーズより、遂に平成ライダーシリーズ第1期(初期)がコンプリート!

全号集めると完成する大型模型やDVD映像作品シリーズなどが付属し、毎週や月2回などのペースでリリースされるパートワーク冊子。やはりコンプリートしたときの達成感はなにものにも代え難いでしょう。CMや雑誌、ウェブなどで見かける企画の中には、「こんなものが商品化されるのか!」と驚いたり、ほしくなって思わず総額を計算してしまうアイテムも多いですよね。

今回は10年分のテレビシリーズのDVDが各号に付属、今現在(記事執筆時2023年11月)も継続してリリースされているパートワークアイテム『隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編』をご紹介します。

DVDの内容は平成仮面ライダーの最初の10作品! 2000年1月に放送開始した『仮面ライダークウガ』から、2009年8月に放送終了した『仮面ライダーディケイド』まで、放送順に各号約5話ずつを収録しています。

ディケイドが8月終了だったのは、当時ほぼ同じ時期(1月から2月)に放送を開始していた戦隊シリーズと、商品展開のピークなどのかぶりを避けるため、放送期間が短いスケジュールになったためです。その分『ディケイド』は昭和ライダーを含む歴代ライダーの客演が実現した記念碑的な構成となりました。ちなみに本企画には劇場版は含まれないものの、テレビスペシャル版は収録されています。

三月兎之杜では刊行中の『隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編』の買取も行っております。コレクション整理の際は、ぜひご相談ください。

仮面ライダークウガ(2000年1月30日~2001年1月21日/全49話)

隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編 8号表紙

テレビシリーズとしては『仮面ライダーBLACK RX』以来、約10年ぶりの復活となった平成第1作です。子供向けかと思いきやゲームとして殺人を楽しむ怪人たち、その理不尽に立ち向かう人類、そして仮面ライダー。そのハードな描写は昭和第1作からライダーを楽しんできた大人たちにも、いやむしろそうした年配層にこそ好評をもって受け入れられました。もちろん本番組を楽しんだ子供たちも多く、玩具類も多く売れたようですね。特にフォームチェンジは玩具の装着変身にも採り入れられていました。それでも『燃えろ!!ロボコン』を観ていた翌週に『クウガ』というのは、ちょっと温度差が激しかったのではないでしょうか。

仮面ライダーアギト(2001年1月28日~2002年1月27日/全51話)

隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編11号表紙

3人の仮面ライダーを主軸としてストーリーが進んでいく平成ライダー第2作です。主人公のアギトはクウガのコンセプトを引き継いだようなデザイン。世界観も『クウガ』の2年後としていますが、クウガの客演などはありませんでした。ちなみに本作ではG3に変身する氷川誠として要潤が、敵怪人を統べる謎の存在の少年時の姿として神木隆之介という、NHK『らんまん』コンビが出演しています。

仮面ライダー龍騎(2002年2月3日~2003年1月19日/全50話)

隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編22号表紙

13人のライダーが繰り広げるバトルロイヤル! 「悪のライダー」の登場が衝撃的でした。カードバトルの要素を採り入れた最初のライダーでもあり、複数の世界線を持つ結末など、のちの作品への影響も多いストーリー展開でした。

仮面ライダー555(2003年1月26日~2004年1月18日/全50話)

隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編32号表紙

メカニカルなデザインと常に「死」を連想させるイメージが同居した衝撃作。携帯電話を武器へとアレンジした手法も見事で、いまでもファイズドライバーの人気は高いものとなっています。まもなく20周年を記念した新作が公開予定!

仮面ライダー剣(2004年1月25日~2005年1月23日/全49話)

隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編42号表紙

トランプをモチーフとしたライダーと怪人(アンデッド)の関係配置が見事でした。セリフまわしばかりがネットミームとして独り歩きしていますが、ラストのストーリーの収束ぶりも見事です。

仮面ライダー響鬼(2005年1月30日~2006年1月22日/全48話)

隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編52号表紙

従来は敵役としての登場が多かった「鬼」が仮面ライダーとして登場。敵怪人である魔化魍を倒すための民間組織が丁寧に描かれていたのが印象的でした。

仮面ライダーカブト(2006年1月29日~2007年1月21日/全49話)

隔週刊 仮面ライダーDVDコレクション 平成編61号表紙

虫をモチーフとしたライダーやバイクの使用など、仮面ライダーの原点に立ち戻ったかのような構成が特徴。クロックアップによる超高速バトルは、『555』など従来のシリーズで使用された技法をさらに発展させていました。

(※以後、記事執筆時は未刊行のため画像はありません)

仮面ライダー電王(2007年1月28日~2008年1月20日/全49話)

時間移動を主題とし、フォームチェンジは昔話がモチーフとしている仮面ライダーです。時間を渡るのはなんと「電車」! たびたび巨大な敵が出現し、電車とドッグファイト(?)を繰り広げるという、戦隊ものかと見まごうようなアクションシーンもありました。

仮面ライダーキバ(2008年1月27日~2009年1月18日/全48話)

前作『電王』のイマジン憑依を連想させるフォームチェンジなどを採り入れていますが、最大の特徴はやはり親子二世代の物語が交錯するストーリー展開でしょう。1986年と2008年という二つの時代が独立して描かれ、それぞれの時代の戦いや人々のふれあいが結末へとつながっていきます。

仮面ライダーディケイド(2009年1月25日~8月30日全31話)

全てを破壊し、全てをつなぐというキャッチフレーズのもと、過去のライダーの世界を渡り歩く異色な仮面ライダーです。また、本作では戦隊シリーズとの共演も行われ、以後のライダー・戦隊シリーズでも恒例となっていきました。

奇しくも第21作目『ゼロワン』から元号も令和となり、現在は新たな令和ライダーの物語が紡がれていきます。そして今後もまたパートワークで平成ライダー2期編、令和ライダー編などがリリースされていくかもしれません。

古書店三月兎之杜ではデアゴスティーニのDVDコレクションから、パートワークアイテムの買取を承っております。組み立て済/未組み立て、全巻揃い/欠号アリ・途中までなど、状態もご相談ください!

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投稿者:usagi