ちょっと買取りとは別のお話になるのですが、2020年4月に講談社より発売された「テレビマガジン完全復刻コレクション マジンガーZ」という本をご存知でしょうか。
(参考URL)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000340989
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71079
ツイッターの個人TL上の50代のおっさn……紳士層にはかなり注目度の高かった一冊です。1973年から74年にかけてのテレビマガジン本誌および増刊号における、『マジンガーZ』のグラビアや記事、そして付録を集約させたムックです。編集部独自の視点で描き起こされたグラビアページを読むことができるだけで果報者なのですが、もっと感服するのは一色ページの記事も「裏写り」を修正した上で収録している点でしょう。70年代の児童雑誌や週刊誌は紙質が悪く、インク(青インク)がページ裏側に浸透して非常に判読しにくくなります。発売当時はそれほどでもないのですが、長期保存するとどんどん浸透具合は進み、ついには裏面に達してしまうようです。もちろん当時の児童誌や週刊誌は、何十年も先に読まれる前提でされていないのでしかたないことではあります。しかし、読者の読みたいもののために多大なコストをかけて当時の記事を再現する姿勢に、旧い商品にかかわるものとして敬服せずにはいられません。
もちろん「完全復刻コレクション~」のお買取りもお待ちしているのですが、本日ご紹介するお買取り品はそのオリジナル版、1972年から1975年にかけての「テレビマガジン」です。
「テレビマガジン」は、『仮面ライダー』の記事を中核として1971年末に創刊。『マジンガーZ』の放送開始後は、同作の描き下ろしグラビアや口絵が記事パートのメインを飾るようになっていきました。担当者個人が夢中になっていたのは年代的にもう少し後で、グレンダイザーの頃から読み始めた記憶があります。そのため今回のテレビマガジンの記事や執筆陣は非常に新鮮です。
それでは何冊かピックアップしてみましょう。
▲1972年8月号。まだ創刊から1年たっていないため、表紙にも「少年マガジンのおとうと雑誌」という立ち位置が記されています。
▲1972年10月号。この号の「仮面ライダーのひみつ100」は好評だったようで、12月号でも「ショッカーのひみつ100」を実施しています。次号予告ではショッカーの新組織名を「ゴーストショッカー」と呼んでいました。ちなみにこの号から連載スタートした『レインボーマン』コミカライズはあだち充先生が手掛けています。
▲1972年11月号。少年仮面ライダー隊員の募集がスタート。表4(裏表紙)の広告はタカラのキックファイトゲーム。『あしたのジョー』からのジョーと力石の再現度がなかなか高いです。
▲1974年1月号。「マジンガーZ決戦トランプ」が付録として付属しました。上記の完全復刻コレクションでも同じ素材で再現されています。また、吾妻ひでお先生の『星の子チョビン』もこの号からスタートしたようです。
▲1974年5月号。『天才バカボン』大特集として「バカ田大学低能テスト」なる企画が! 受けてみたいです。
▲1974年6月号。本号での「マジンガーZショッキング特報あしゅら男爵が死んだ!」のように、敵にスポットを当てる切り口も人気だったようです。上記の「完全復刻コレクション」でも記事との再会を喜んでいた人が多かったです。
▲1974年8月号。グレートマジンガーへのバトンタッチを大々的に行っているのが印象的。フィンガー5や百恵ちゃんなどのアイドルも表紙を飾っています。また、この時期の表4はタカラの変身サイボーグが飾ることが多くなります。
▲1975年5月号。全日本マジンガー博士テスト、気になります。ヒーローやロボットにまざって名犬ラッシーが表紙を飾っています。
表紙や目次以外はなかなかお見せしにくいのですが、やはり裏写りもばっちり進行しています。当時の号と比較することで「完全復刻コレクション」スタッフのご苦労と熱意を感じることができるかもしれません。
経年にともない色々な情報が消失していくのは寂しいことですが、デジタル技術によってそれを食い止めたり、スピードを遅らせることができるかもしれません。古物業界の片隅にいると色々な可能性を思わすにはいられませんね。
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投稿者:usagi