岩波書店の『プラトン全集』( 全15巻+別巻 全16巻揃い) を高知県南国市より着払の宅配便にてお売り頂きました。どうも有難うございました。
プラトンは紀元前428頃~紀元前347頃のギリシアの哲学者です。ソクラテスやアリストテレスと並んで良く知られており、哲学の歴史を代表する哲学者のひとりです。
プラトンにはイデア論や有名な『洞窟の比喩』がありますが、それらがあまりにも突拍子もない無いようなので、プラトンは形而上学とみなされることもしばしばあります。
プラトンの話で、私たちは死後、肉体から抜けただ魂となって物事の『イデア』を見て取ることができるという言い方は、現在の水準から評価すればちんぷんかんぷんかもしれません。こういったことから確かに、プラトンは形而上学な側面があることは確かです。しかし、時代を考えると、そうした欠点よりも、むしろ「確かに!なるほど!」と納得させる議論、例えば徳とはなにか?と考えさせられる作品があります。
「メノン」という、古代ギリシアの哲学者プラトンの対話篇の書籍で「徳とは何か?」について書かれています。対話は「ソクラテス」「少年メノン」「政治家アニュトス」の間で行われます。
冒頭、メノンからソクラテスに次のような質問を投げかけます。
(引用)
~こういう問題に、あなたは答えられますか、ソクラテス。?人間の徳性というものは、はたしてひとに教えることのできるものであるか。それとも、それは教えられることはできずに、訓練によって身につけられるものであるか。それともまた、訓練しても学んでも得られるものではなくて、人間に徳がそなわるのは、生まれつきの素質、ないしはほかの何らかの仕方によるものなのか……。~
「徳」というのものは教えられるのか。それとも、ただ訓練や修行によってのみ得られるものなのか。あるいは先天的の素質によるものなのか。
こうメノンは質問を投げかけ、これ以降の対話は、この問題をめぐって行われていきます。
最終的に本篇のプラトンは、徳の属性を論じつつも、結局その本質は示していなくて、消化不良の感じが否めません。強弁が目立ち、確信にも到達していないように自分は感じました。
しかし、プラトンの議論が画期的であったことは確かで、習俗の力が近代よりもはるかに強かった時代に『何が徳の本質だろうか?』という問題を立てたということ自体は、もっと評価されても良いと思います。
ちなみにですが、こちらの「メノン」という書籍はイデア説が成立する以前の作品であって、プラトンの主著に数えられていませんが、本質という概念の普遍性の観点からすれば、参考にすべき作品だと思います。
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投稿者:usagi