今回の買取強化アイテムは『ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版』!
デアゴスティーニが2023年1月より隔週でリリースしている、ジャズの名盤を紹介していくパートワーク(分冊百科)シリーズです。全90号予定で現在(記事執筆時2024年4月)第34号まで刊行されています。
「ブルーノート」は1939年にニューヨークに設立された、ジャズ専門のレコード会社であり、ジャズの名門と呼ばれるレーベルです。1979年に一度倒産の憂き目にあいつつも、1985年に復活。2012年にEMI参加からユニバーサルミュージックグループ傘下となり、現在も活動を続けています。
ブルーノート・ベスト・ジャズコレクションでは毎号1人のジャズアーティストにスポットを当て、その音楽人生や、ブルーノートとの関わり、そしてブルーノートの歴史などを毎号解説。オリジナルセレクションによる楽曲5~7曲を、付属の高音質CD「SHM-CD」に収録してリリースします。
「SHM-CD」は通常のCDとは異なる液晶パネル用ポリカーボネート樹脂を使用することで、原盤のクオリティを限りなく忠実に再現することを可能とした高音質のCDとなります。再生にあたっては専用の機器は必要とせず、既存のプレーヤーで再生可能です。
CDについては完全デジタルデータでありながら、プレス工場によっても音質が異なるなど、突き詰めるとわずかな音質の差が存在するといわれています。85年におよぶ歴史ともなれば、すでに故人となったジャズメンも多くなります。彼らが遺した演奏に限りなく近い音質とすべく、製造工程におけるロスを極限まで減らす素材を使用するというこだわりのあらわれですね。
イギリスやアメリカでは「ブルー」は悲しみを現わす色となります。アフリカ系アメリカ人が歌う歌やメロディに悲しみを感じた人々はその音楽を「ブルース」と表現しました。ブルースにはそれまでの西洋音楽とは異なる独特の音階が存在し、それらは「ブルー・ノート・コード」と呼ばれるようになります。
ブルーノートコードはジャズ・ソウル・ロックなど、その後に生まれたポピュラーミュージックに多大な影響を与えていきました。例えばジョン・コルトレーンの『ブルー・トレイン』は、もちろん寝台列車のことでも物理的に青い列車でもなく、悲しみや哀愁を帯びた列車というニュアンスになります。
そのジョン・コルトレーンの演奏も本シリーズでフォロー。彼の最初のリーダー・アルバム『コルトレーン』はプレスティッジ・レコードから1957年にリリースされ、その後もアトランティック・レコード、インパルス!・レコードと渡り歩いていますが、『コルトレーン』の直後にブルーノートから1枚だけリリースしています。それが彼の初期の代表作ともなった表題曲を含むアルバム『ブルー・トレイン』でした。
今回のベスト・ジャズコレクションでも第5号に5曲中3曲が『ブルー・トレイン』収録曲となっています。なお、同号の収録曲は全5曲、残り2曲は彼がサイドマンとして参加した『スピーク・ロウ』と『今宵の君は』となります。
さらにその『スピーク・ロウ』は、ソニー・クラークのアルバム『ソニー・クリブ』の収録曲。ソニー・クラークは本シリーズの第6号で紹介されています。
また、コルトレーンは1955年から1957年まで”モダン・ジャズの帝王”マイルス・デイビスのバンドに参加しており、そのマイルスは創刊号および第21号でとりあげられています。
ジャズの世界ではこうしてバンドのサイドマンが後に注目されてリーダーになったり、リーダーとなった後も別のアーティストのサイドマンとして参加するケースも多々あります。本シリーズを続けて購入してブルーノートの歴史やジャズメンの人生に触れていくことで、そうした横の関係も見えてくるのかもしれません。
古書店三月兎之杜では、ブルーノート・ベスト・ジャズコレクションほか、デアゴスティーニが展開するジャズやクラシック音楽、懐かし音楽などのCDコレクションの買取をお待ちしております。大量でスペースをとりがちな分冊百科シリーズのコレクション、大量の場合は出張買取も承ります。全巻揃いは高額査定、もちろん欠号ありでも買取承りますので、まずはご連絡ください!
投稿者:taguchi