『安部公房全作品』( 全15巻揃 新潮社)を茨城県水戸市より宅配にて買取させていただきました。

『安部公房全作品』 全15巻揃 新潮社を茨城県水戸市より宅配にて買取させていただきました。

 

 
安部公房は、『戦後 文学賞』『芥川龍之介賞』『岸田 演劇賞』『読売 文学賞』『谷崎潤一郎賞』『フランス最優秀外国文学賞』などの受賞歴があり、海外でも人気のある作家で30ヶ国以上で翻訳され出版されているようです。本名は安部公房と同じ漢字を書き、「あべ きみふさ」と読み、戦後の復興期にさまざな芸術運動に能動的に参加し、ルポルタージュの方法を見に付け作品の活動域を増幅し、あの三島由紀夫らとともに第二次戦後派と評されています。

 

 
東大の医学部出身ということもあり、安部公房の作品は理系的で緻密な描写・冷徹な観察力を持っていて、安部公房の代表作として、1951年に受賞した芥川龍之介賞した「壁」、読売文学賞・フランス最優秀外国文学賞を受賞した「砂の女」は有名ですね。

 

 
自分も数える程度の作品しか読んだことがないのですが、安部公房のどこが面白いかと言ったら、自分が今、住んでいる世界が異常なのか・正常なのか、その境界線が消えかてしまう、そんな恐怖を与えてくれるところですかね。世にも奇妙な物語が好きなら、ハマるかもしれませんので好きな方はぜひ読んでみていただきたいと思います(笑)

 

 
内容は面白いのですが、読んだ人の一部からは難解だと言われることもしばしばありますので、新潮社から出ている文庫から手を出すのをおすすめします。自分的には、晦渋であるから故にその不思議な感覚に陥るのではないかと思っていますので、難解であるということは安部公房の作品には必要な要素だと思っています。

 

 
自分がおすすめするのは、先程も出てきました1951年に芥川龍之介賞を受賞した「壁」です。
おおまかな”あらすじ”ですが、
 ある朝、急に自分の名前を失ってしまった男が出てきます。それと同時に、彼は習慣に塗り固められた現実での存在権も失ってしまいます。自らの帰属すべき場所を持っていない彼の目には、現実が奇奇怪怪な不条理な塊に見えてきます。人との接触に支障をきたし、いつの日かマネキンの人形やラクダに奇妙な愛情を寄せていきます。そして・・・・・・・。
 

 
弊社には無いですが、大手の高層ビルに勤めているような人であれば出勤の際に警備員さんが居て、社員証だったりIDカードだったりを首から下げて出社したりして、その人が誰であるかを認識しているんですよね。ではもし、そのカードをなくしてしまったらどうなるんでしょうね。その人は、「壁」の登場人物のように”名前”を失ったことになるのでしょうか?自分の名前なんて、そうそう忘れるものではありません。しかし、カードをなくしたことで名前を失うということになるのであれば、最悪の場合、そのカードを悪用され他人になりすますことも出来てしまいます。それは、とても怖いことですよね。

 

 
と、自分の妄想はさておき、安部公房の「壁」なのですが、読まれたことのある方なら、”壁”ってなんなんだろう?という所に最終的に落ち着くはずです。(笑)
目の前に壁があっとして、その壁は「乗り越えるもの」なのか「壊していくもの」なのか「迂回していくもの」なのか「地面を掘り下げて潜り抜けるもの」なのか、はたまた超人であれば瞬間移動やテレポートなんてのもありでしょう。
そもそも、その壁の向こう側に行く必要があるのか。その壁は、外の世界から自分を護ってくれているのかもしれません。いや、もっと前に考えなくてはならないのは、そもそも自分は今、壁の”内側”にいるのか・”外側”にいるのか。

 

 
妄想のIDカードの話じゃないですけど、そのIDカードって、その会社という壁に囲われた特定の範囲内でしか有効なじゃなかったりします。
名前という名のIDカードをもし失ってしまったら、壁に対してどう臨めが良いのですかね。

 

 
と、「壁」の話になってしまいましたが、今回お売りいただきました『安部公房全作品』以外にも『安部公房全集』も積極的に買取させていただいておりますので、お持ちのお客様がおられましたら、ぜひ弊社にご連絡していただき弊社の買取額を聞いていただけたらと思います。

詳しくは古書店三月兎之杜・全集買取のWEBサイトを是非ご覧ください。

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