呉清源の囲碁の本を宅配にて買取させていただきました(愛知県東海市より)

呉清源、本因坊秀策などの囲碁関連のご本を愛知県東海市より宅配にて買取させていただきました。有難うございました。

 呉清源

 

この本は自伝ということもあり、碁のことにはあまり触れずに、日中間の現代史について語られていたり、倉皇の時代を過ごしてきた棋士とその兄弟との人生が書かれていて、とても興味深い本です。こういった人が書かれた自伝は、どんどん引き込まれて読んでしまいますね。

呉清源

 

呉清源は「中の精神」というものを大事にしておりました。”中”というのは日本語で言うところの”調和”という意味です。11歳の頃に北京で碁の天才少年と言われ、1928年の14歳の時に来日、以後1984年に70歳の古稀を迎え現役を引退するまで、この「中の精神」というものを大切にしていたそうです。

呉清源

 

呉清源は大変真面目で、今回お売りいただきました『21世紀の碁』を出版するにあたっても、早く出版して欲しいという要望が多々ある中「まだ結論が出ていない。未完の研究を発表することは心苦しい。」ということで、出版を渋っていたそうです。しかし、周囲の人間が”現在の最善と思われることの発表を躊躇してはいけない。”と説得したことにより、この『21世紀の碁』を出版するに踏み切ったそうです。
こういった戦術は常に未完の状態にあると思います。終わりなど存在しないと思います。よって呉清源を出版に踏み切らせた方は讃えられたでしょうね。

 

 

呉清源は研究会を開いており、呉清源ともなると日本・中国・韓国・アメリカ・欧州などからプロがわざわざ訪れ、研究を重ねたそうです。その研究会で、教えたことが間違っている可能性があると思ってしまうと夜中に目覚めてしまい、寝付けないくらいに常に囲碁のことを考えていたそうです。
更により良い一手が発見されると、次の研究会で訂正します。また、更により良い一手が発見されると、また研究会で訂正です。このように、常に最善の一手を研究されていて、まさに”碁聖”という言葉が相応わしい人物です。
また、この本の刊行にあたり、
「この本で発表していることは絶対的な決定版ではありません。私が息をひきとるまで変化と進歩を繰り返しながら研鑽をつづけますから、この点をご了解下さい。発表の度に前回と違うとか、変わったと感じられましたら右記の理由からとお許し下さい。」
と、書かれてありました。現段階での呉清源の見解を聞け、常に碁のことを考え、最善の一手を毎日毎日研究している方が出した本に文句を言う人はいないでしょう。この本が発売された時にはさらに、最良の手が見つかっているかもしれませんが、それはそれで、この時はこの手が定石だったのだと、また違う勉強になる本だと思います。

呉清源

呉清源

 

最後に、こちらの本は第1巻が1997年に発売され、最終巻の第10巻が2000年に発売されました。その時の呉清源の言葉がありましたので、引用させていただきます。
「来たる21世紀は世界中の人々がお互いを想いやり、平和な世界が期待されています。 同様に己れだけが貪るのではく相手にも得をさせ、自分はより多くの利を得る碁、先に投資して後に利益を回収する碁、そのためには見えない地を重視する六合の碁を理解していただきたいと念じ、この出版にご尽力を下さった関係者の方々へ御礼を申し上げます。」

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