『月刊マンガ少年』 (76年創刊号~81年5月号+増刊 計58冊/ 朝日ソノラマ) を東京都板橋区より宅配にて買取させていただきました。有難うございました。
今回お売りいただきました、「マンガ少年」なのですが、恐らく全号揃いだと思われます。
こんな貴重なマンガ雑誌が全巻お揃いでお持ちの方がおられると思いもしませんでした。感謝申し上げます。
こちらの『マンガ少年』の連載執筆陣は、今ではベテランと呼ばれる漫画家ばかりで読みたくなる作品ばかりです。
「吾妻ひでお」、「石坂啓」、「高橋葉介」、「ジョージ秋山」、「新谷かおる」、「松本零士」、「モンキー・パンチ」、「藤子不二雄」、「石森章太郎」、「手塚治虫」。自分が知っている漫画家だけを挙げさせてもらいましたが、当然、名高い面々でこんな貴重なマンガ雑誌を創刊から休刊まで揃いで一挙に拝見することが出来て嬉しく思います。
もともと『マンガ少年』が発行される経緯としては、手塚治虫が「火の鳥」を掲載するマンガ雑誌が欲しいということを受けて、朝日ソノラマがそれを受けマンガ雑誌を発売するにいたったそうです。手塚治虫が「火の鳥」を連載したいと、発言しただけで出版社が動き、それまで朝日ソノラマはマンガ雑誌を発売したことなかったのに発行するまでにさせるとは、どれほど影響力がある人間かだったのか手塚治虫という人の凄さが伺えます。
1980年前後のマンガの流行りはSFマンガがブームだったので、石森章太郎、松本零士、藤子不二雄などらが時代を引っ張っていたのだろうと考えることができます。石森章太郎や松本零士らは正統派のSFでしょうが、藤子不二雄の「F」の方には「SF=少し不思議」という考えであったので、「耳太郎」というちょっと他のSFとは異なる作品を連載していたのでしょうね。
この「耳太郎」、面白いです。藤子作品の中でも明るくポップなものだけでなく、特に「F」の方が描く、こういった作品は大好きです。
この「耳太郎」という作品も、突然、他人の心の声が聴こえるようになる能力、テレパシーを使えるようになった耳太郎くんが主人公です。 最初は大喜びでその能力に満足していましたが、次第に聞きたくないことも聞こえるようになり、耳をふさいでも周りの声が嵐のように聞こえノイローゼ気味になってしまいます。ある日、同じ能力を持ってはいるが、視力・聴力をなくしたおじさんに出会います。おじさんに今の状況を相談すると「完璧な人間なんていないんだ。人がどう思っているかより、それを無理やり聞き出すことのほうが悪いことではないか。」
このとき、耳太郎くんは屋根で寝ていたのですが、そんなことは忘れて目が覚めると、屋根から落ちて気を失ってしまいました。そこから、もうテレパシーは使えなり、この話は終了です。
この作品の感想としましては、何でもかんでも本心を聞き出すことが正解じゃないってことでしょうね。知らなくても良いこと、知る必要のないことなど色々な真実はあります。簡単な例として、「子どもが描いた絵を見て、”じょうずだね”って褒めること」も、そのひとつですかね(笑)
読み切りマンガでは、「楳図かずお」、「大友克洋」、「永井豪」、「水木しげる」、「諸星大二郎」、「横山光輝」などなど。こちらも自分が知っている漫画家のみ挙げさせてもらいましたが、彼等が読み切りとは勿体なさ過ぎますね。
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