新潮社『吉行淳之介全集』をお売りいただきました。
『驟雨』『暗室』『夕暮まで』など、私小説的な純文学と同時に、対談やエッセイの名手としても知られた吉行淳之介。
その軽妙洒脱で飾らない語り口は、妹の女優・吉行和子さんも共通していますね。
『吉行淳之介全集』は、文学作品からエッセイまで、淳之介の魅力が詰まった全15巻で構成されています。
さて、吉行淳之介といえば、数々の浮名を流した作家としても有名ですが、女性に熱心というより、モテる方だったそうです。
ただ、フランス文学者 奥本 大三郎氏は、むしろ淳之介は「女性嫌悪思想の持ち主」で、だからこそ「どうしても女性に無関心でいられない」と考察しています。
この考察は矛盾ではないかと感じますが、淳之介の著作を読むと、女性に対する考え方や、自身が抱く興味に対する戸惑いなどが読み取れて、彼の心の内をほんの少しだけ理解できる気がします。
その、引いては寄せる、一所に留まらない波のような感情が、女性には魅力的に映ったのかもしれません。
そんな吉行淳之介の、艶っぽくもどこかうつろいを感じる作品に触れてみてはいかがでしょうか?
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