能・謡曲関係の古本は当店もご依頼の多い分野になります。
今回は、仕舞編6巻と舞囃子編5巻で構成された、『VHS/宝生流 名演集 完結編 宝生の華』等をお売り頂きました。
ちなみに「仕舞」は能の一部を面・装束をつけず、紋服・袴のまま素で舞うこと。
「舞囃子」は能のある曲の中の舞所だけを、シテ(主役)一人が、仕舞と同様に紋服・袴のままで、ただ地謡と囃子を従えて舞うこと。
いわば能のダイジェスト版です。
今年5月、惜しくも亡くなられた重要無形文化財 近藤 乾之助氏の貴重な舞も見ることが出来ます。
ご存知のとおり、様々な流派がある能の世界ですが、宝生流は、観世流に次ぐ第二の規模を誇る流派になります。
流祖は観阿弥の子で世阿弥の弟といわれる、蓮阿弥。宝生太夫として、興福寺薪能、若宮祭礼能などに参勤したそうです。
歴史の教科書でも必出の山名持豊が後援者だったそうで、山名氏の屋敷での演能記録もあります。
今では、格式ばったものと捉えられてしまいがちですが、能の起源は千何百年前のモノマネや寸劇、曲芸など、散楽といわれる大衆芸能です。
その後、隆盛と衰退を繰り返し、変化もあったものの、現代まで脈々と受け継がれています。
内容も、実は思ったよりも分かりやすく、見栄えも華やかな演目が多いため、日本はもちろん、世界での評価も高く、ユネスコの世界無形遺産に指定されています。
ご紹介したVHSにはありませんが、有名な「道明寺」など、素早い装束替えやダイナミックな舞台装置など、見ごたえのある大曲もあるので、日本人としてぜひ生で見てみたいものですね。
ご興味のある方はぜひ、足をお運びになる前にVHSやDVDでご覧になってみてはいかがでしょうか。
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