弊店では、漫画本の中でも貸本時代からの懐かしいご本につきましては、積極的に買取させて頂いております。
今回は、長野県のお客様より、サンコミックスをはじめ、古い漫画本を大量に宅配でお売り頂きました。
有難うございました。
折角ですので、その中で一冊、『墓場の鬼太郎』(講談社コミックス/昭和42年発行初版)をご紹介致しましょう。
こちら、おなじみの水木しげる・作『ゲゲゲの鬼太郎』の前身の作品です。
フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で2008年に放送されましたので、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。
ちなみにオープニングのテーマ曲は電気グルーヴ、エンディングは中川翔子でしたね。
1930年半ばに人気を博した紙芝居、『ハカバキタロー(墓場奇太郎)』を題材にして、当時の紙芝居作家だった水木しげるが、オリジナルの4作の紙芝居を仕立てました。
これが鬼太郎シリーズの原点となります。
今や子どもから大人まで、ほとんどが知っている『鬼太郎』シリーズですが、すぐに人気のキャラクターとして定着したわけではありません。
水木しげるは、鬼太郎というキャラクターとともに、貸本漫画や様々な出版社を渡り歩き、その間に鬼太郎もシニカルな正確から正義感あふれるキャラクターに変更し、それでもなかなか日の目を見ず・・・。
鬼太郎が誰もが知る、有名キャラクターになったのは、『悪魔くん』の成功を受けて、週刊少年マガジンで『墓場の鬼太郎』が正式連載となった1967年でした。
実に30年間、翻弄された鬼太郎でしたが、人気となった後もベトコンの味方となって米軍と戦ったり、作者に代わって当時を風刺をしたりと子どものヒーローになるまでに、キャラクターがブレてます。
その後、幼児雑誌やアニメに伴い、子どもから大人まで愛されるキャラクターに昇格したのです。
よく「作者の手を離れて主人公のキャラクターが一人歩きする」と言われますが、作者や編集者の手で翻弄されてきた主人公は鬼太郎くらいではないでしょうか?
「毛虫と遊びミイラと語る謎の少年、鬼太郎の魅力のすべてを結集!独特のタッチでユーモアをたたえた幻想の世界を描写し、話題をよぶ水木しげるの傑作怪奇劇画集!」
カバーに書かれているこの文章を読むと、後年、特にアニメで展開された鬼太郎とはずいぶん違った捉え方という事が分かります。
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