神奈川県川崎市の愛書家の方より、新旧の三島由紀夫全集や同年代の全集を多数、出張買取にてお売り頂きました。どうも有難うございました。
写真が新版(決定版)三島由紀夫全集です。別巻には映画『憂国』のDVDも付いた、まさに決定版です。文庫と一緒であるオレンジ色の装丁は、書棚に並べても映えますね。
三島由紀夫といえば、往時の初版本ブームの時、高値で取引されていた作家の一人です。また、例の市ヶ谷自衛隊駐屯地での自決事件のときは(1970年11月25日)、新刊から古本まで本が一斉に市場から消えた、という逸話もあるくらいです。
三島の当時の人気はどれくらいあったか、とある古本屋さんの回想録から引用致しましょう。
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「私は肉筆署名の入った、ある百部限定本を三十冊持っていた。定価一万五千円のもので、原価は一万二千円である。事件前の市(=古書交換会のこと/引用者注)では一万一千円くらしかせず(中略)それが事件後には二万五千円でまたたく間に売れた。」(引用は『東京下町古本屋30年』/青木正美著/青木書店より。)
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当時の大卒初任給が約4万円の時代のお話です。
『三島由紀夫全集』を売買としての古本屋的視点で見れば、この厳しい読書事情の中で全集が売りづらい現在、数少ない人気のある全集となります。そのために黒函装丁の<旧版36冊揃>も買取が可能です。本を愛する我々としても嬉しい限りです。
なお天金装を施した「限定1000部版」36冊揃もあります。本が読まれた昔は、出版社もこのような豪華版、限定版を出す余裕がありました。
古書店三月兎之杜では三島由紀夫をはじめ個人全集を買い取りさせて頂いております。
量や内容、地域により出張買取もお受けしております。
遠方の方などには着払の宅配買取がお勧めです。
詳しくは古書店三月兎之杜の全集買取のページをご覧ください。