愛知県のお客様より新版の「漱石全集」を宅配便買取にてお売り頂きました。
どうも有難うございました。
ちなみに、正式な書名は「漱石全集」と言い、姓の「夏目」は省きます。
岩波書店はこのスタイルが多いですね。例えば・・・
・露伴全集(幸田露伴)
・荷風全集(永井荷風)
・鏡花全集(泉鏡花)
・紅葉全集(尾崎紅葉)
・鴎外全集 (森鴎外)
などなど。
芥川 龍之介全集は龍之介全集とは呼びませんね。名前が1文字2文字の人限定なのかしらん?しかし「志賀直哉全集」は「直哉全集」とは言いませんね。
この漱石全集に関連しては、矢口 進也著『漱石全集物語』(青英舎/1985年)という本もありますので、ご興味のある方は是非ご一読下さい。漱石の死後1年、大正6年に最初に刊行されてからの経緯が時系列で纏められております。
著者の矢口氏は、『世界文学全集』(トパーズプレス 1997年)という本もありますので、全集について調べたいと言う方は1冊お持ちになっておくと良いかもしれません。
(全集に関する記事はこちらもご覧下さい)
ちなみに日本独自のスタイルである 「文学全集」は、かつては居間の書棚に揃えていらっしゃるご家庭も多くありました。しかし、活字離れが顕著な現在、またご家庭の置き場スペースの問題もあり、そのポジションが非常に難しいところにあるのは事実です。
その様な中、作家の池澤夏樹氏が、河出書房新社から個人編集版として全30巻の「世界文学全集」を刊行したのは、今から5年前の2010年でした。今の時代に文学全集が出るなんて!しかも新刊で!と小職も驚いた記憶があります。
その時は「世界文学」なので可能なんだろうなぁ・・・、「日本文学」の方はもう駄目だろう・・・と悲観しておりましたが、そんなことはありませんでしたね。いささか旧聞に属する話で恐縮ですが、2014年11月、同じく河出書房新社より、同じく池澤氏の個人編集として「日本文学全集」全30巻が刊行されました。
(ポケットに入れておりましたので、シワシワで申し訳ありません)
日本文学といっても、時代を絞ったわけではなく、第1巻が古事記が始まりますので、古典から近代文学まで幅広いラインナップです。
写真が小さくて申し訳ありませんが、訳者も、いとうせいこう氏(曽根崎心中など)、江國香織氏(更科日記)、内田樹氏(徒然草)など、思い切った起用だと思います。
河出書房新社の特集サイトには池澤夏樹氏のインタビューも掲載されております。
厳しい読書世相ではありますが、是非このシリーズには、頑張って刊行して頂きたいと願います。皆さん、もう一度世界の名作、日本の名作をご家庭に如何ですか?
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