武術書買取事例『月之抄』柳生十兵衛三巌著/『校註 月之抄』校註:今村嘉雄(野島出版)

『月之抄』柳生十兵衛三巌著 表紙

江戸時代の剣豪として様々なフィクションにも登場する柳生十兵衛三巌。その著書である兵法書『月之抄』と、その解説書にあた『校註 月之抄』をお譲りいただきました。ありがとうございます! 『月之抄』は三巌の記したものの写しと思われる奈良市柳生の芳徳寺蔵版を書籍化。校註では芳徳寺本を底本とし、品川に残った東海寺本を参照として解説されています。

『校註 月之抄』今村嘉雄 表紙

柳生十兵衛三巌は1607年に生まれ、13歳の時に家光の小姓となります。家光は三巌の3つ年上でした。15歳の時に父宗矩が家光の兵法指南役となり、家光とともに父の稽古に相伴するようになります。共に剣を学び成長していた仲でしたが、三巌20歳の時に家光の勘気を被り小田原に蟄居の身となります。

その原因は謎とされていますが、本書の解説書である『校註 月之抄では、柳生家代々の猛々しく直情径行的な性格や行動が、短期で我の強い家光の気に障ったのではないかと推察しています。今回の両書が発行されたのが昭和46年(1971年)。家光の短期な性分は現在より広く知られていたようですね。

『月之抄』柳生十兵衛三巌著 1

剣聖上泉秀綱が興し、柳生石舟斎、宗矩と受け継がれてきた新陰流でしたが、その解釈は人によって異なるものでした。この謹慎していた12年の間、三巌は代々の目録を集め、時に門人の証言を得るなどして比較・検証する研究しています。

そして再出仕が許され江戸城御書院番に任じられた後、この時の研究をまとめ上げたものが『月之抄』となります。フィクションでは12年間武者修行で諸国を渡り歩いたなどの伝説が残されていますが、むしろ対照的に学究の人だったようですね。

『月之抄』柳生十兵衛三巌著 内容

多くの時代劇、コミック、ゲームなどで、善悪を問わず魅力的な人間として描かれる剣豪柳生十兵衛三巌。戦国時代が終わり、徳川泰平の時代の中で、剣という戦いの手段の中に何を見出したのでしょうか。『月之抄』および校註を読み解くことで兵法や剣術の極意を会得できるかは読者次第ですが、柳生十兵衛三巌という人物のありようやものの考え方に近づくことはできるのではないでしょうか。

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