アニメ雑誌買取事例『月刊OUT/アウト』(みのり書房) 1983年~1990年

月刊OUT(みのり書房) 1983~1990 トップ画像

みのり書房のアニメ雑誌、月刊OUTの1983年10月号から1990年4月号をお譲りいただきました、ありがとうございます。

月刊OUTは当初はいわゆるサブカル誌として創刊、第2号での『宇宙戦艦ヤマト』特集の好評を受け、アニメ中心の誌面構成へとシフトしていきました。創刊も1977年3月と現存するアニメ誌の最古参であるアニメージュ(徳間書店)よりも1年以上早いものでした。

両誌の黎明期を支えた『宇宙戦艦ヤマト』は今年(記事執筆時2024年10月)50周年を迎え、2012年から展開しているリメイクシリーズとは別に庵野秀明率いるカラーも著作権許諾を得るなどますます盛り上がりを見せています。

さて、今回お譲りいただいた1983年はアニメ業界、特にマーチャンダイジングの主軸であったロボットアニメにとって転機となる年でした。この年の8月、玩具会社のクローバーが倒産。それでも10月にはロボットアニメだけでも『モスピーダ』『バイファム』『ドルバック』がスタートするなど、相変わらずの勢いを感じさせます。しかしこの年83年7月にはファミリーコンピューターも発売されており、年末商戦の主役が玩具からゲームへとシフトしていく最初の年でした。翌年にはタカトクトイスも倒産するなど、少なからぬファミコンの影響が窺えます。

月刊OUT(みのり書房) 1983~1990 とじ込みポスター

80年代初頭は毎日のように放送していたロボットアニメは、80年代中盤には激減。一方で83年秋は初のOVA作品『ダロス』の発売がスタート。それまで玩具ほか関連アイテムの売り上げによって収益を得ていたビジネススタイルが、作品そのものを販売する方向に変化。テレビアニメも放送後にビデオソフトやLDを販売することで収益化を実現していきます。同時に「後に残る」ものとして、特に作画のクオリティがアップしていきます。しかしいずれにしてもソフトを購入する収入のない児童向け作品は、引き続き不利だったんですね。

1987年に発売された『うる星やつら』テレビシリーズ全話を収録したLDボックスは、33万円という価格にも関わらず6000本が売れるヒット商品となりました。その売り上げによってキティ・フィルムは一大OVAシリーズ『銀河英雄伝説』の製作を実現。1988年から2000年にかけて発売されました。いわば今回お譲りいただいた83年から90年にかけては、アニメの収益方法が大きく変わった激動の時期でもありました。

月刊OUT(みのり書房) 1983~1990 付録ポスター

古書店三月兎之杜ではアニメ雑誌、特に昭和期のものの買取をお待ちしております。もちろん揃いでなくとも欠号や一部の号だけでも大歓迎です。今回のように付録のポスターなどがあれば査定額もアップさせていただきます。
雑誌類は重量などもばかになりませんので、大量買取の場合は、内容とお住まいによってはご自宅まで伺う出張買取も対応させていただきます、まずはご連絡ください!

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