建築書買取事例『フランク・ロイド・ライト全集』/A.D.A. Edita Tokyo

『フランク・ロイド・ライト全集』 トップ画像

今回ご紹介する建築専門書は、前回に引き続き「A.D.A. Edita Tokyo」刊行の『フランク・ロイド・ライト全集』全12冊です。フランク・ロイド・ライトは1867年生まれのアメリカの建築家。ル・コルビュジエ(スイス/フランス)、ミース・ファン・デル・ローエ(ドイツ)と並ぶ近代建築の三大巨匠と称される人物です。

独立して事務所を構えてからは、プレーリースタイル(草原様式)と呼ばれる部屋同士を区切ることなく一つの空間として緩やかにつなぐスタイルを確立して人気となります。その発想の原点には、シカゴ・コロンビア博覧会に日本から出展された宇治平等院鳳凰堂の模型にインスピレーションを得たといわれています。

プライベートで様々な問題を起こしたり事件の渦中の人となりますが、1913年に帝国ホテル新館の設計のために訪日。その後も何度か訪日して設計を進めますが予算オーバーと工期の遅れなどから経営陣と衝突。ホテル建設は弟子である遠藤新が引き継ぎます。しかし1930年代後半、本国で後の代表作となる落水荘、ジョンソン・ワックス本社を立て続けに発表。すでに70歳となっていましたが再び建築家としての名声を得ます。

『フランク・ロイド・ライト全集』は、その膨大な作品を通史というかたちで編集。20数年に及ぶ作品撮影を経ており、1巻から8巻のモノグラフでは多数の写真と図面によって1000を越える作品のほとんどを網羅しています。9巻から11巻のプレミナリー・スタディでは特に重要な作品のスケッチやディテールを含めた図面を収録。12巻のレンダリングは透視図を中心としたドローイング集となっています。

ライトは前回ご紹介した『GA』でも1号(ジョンソン・ワックス本社)、2号(落水荘)と筆頭で取り上げらています。先述の平等院鳳凰堂や帝国ホテルのほか、浮世絵の収集でも知られるなど日本とも縁の深い人物です。そうしたことも(素行のわりには)日本でいまだ人気のある理由の一つなのかもしれませんね。


古書店三月兎之杜では、ライトほか各種建築家の作品集の買取をお待ちしております。全集ものといっても欠号や一部だけでもご相談ください。
詳しくは古書店三月兎之杜の建築書買取ページをご覧ください。

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