『Olive』の昭和末期から平成初頭にかけてのバックナンバーをお譲りいただきました、ありがとうございます。
同誌の創刊は1982年、発行は平凡出版(現:マガジンハウス)。1981年に男性向け雑誌『ポパイ』の増刊として発行され、翌年6月に月2回刊の雑誌として創刊しました。オリーブはアニメーション作品『ポパイ』における、主人公ポパイのパートナーですね。
1976年に創刊された『ポパイ』は、それまでの男性向けのファッション誌とは異なり、ライフスタイル全般を提案・プロデュースしていく切り口で人気となりました。それは『ポパイ』が創刊当初はコラム誌として誕生していた点も理由の一つにあるのでしょう。
そして『ポパイ』のカラーを受け継ぐかたちで、『ブルータス』(アニメではポパイのライバル)『オリーブ』は、共にファッションだけでなくサブカルチャーやライフスタイルについての発信が特色となっていきます。
『ブルータス』が『ポパイ』を卒業した少年から青年に移る世代を対象としていたのに対し、『オリーブ』はティーン系女子、特にミッション系、一貫教育校などの中高生をターゲットに絞ります。この姿勢が功を奏し、特に80年代には「オリーブ少女」というワードを生み出すほど読者に支持されました。
しかし、90年代に入ってからの読者の趣味嗜好の多様化などが影響し、2000年7月に休刊。この時期に発生したギャル文化、ヤンキー文化に、大人しめの女子を対象としたオリーブの美意識が駆逐されたともいわれています。以後月刊となって復活しますが、2003年6月をもって再度休刊となります。
ただしマガジンハウスの操業70周年の記念事業の一環として、『GINZA』別冊付録となって1号限り復活。さらに2020年には『anan特別編集Olive』としてやはり1号のみ復活しています。これらの復活劇には、成長したかつての「オリーブ少女」たちの人気が根強かったためといえるでしょう。
今回お譲りいただいた1987年から1989年分は、バブル期ということもありいわば『オリーブ』が最も輝いていた時代ともいえるかもしれません。読んでみると単なる当時の情報の再確認だけでなく、女子視点で見た80年代ファッションとサブカルチャーの熟成期を垣間見ることができるでしょう。
古書店三月兎之杜では、『Olive』ほかファッション誌の買取をお待ちしております。特に60年代~80年代の昭和期のファッション誌その他各種月刊誌、専門誌など高く評価させていただきます。雑誌は物量が多くなると荷造りも大変ですよね。大量買取や高額買取の場合は、ご自宅におうかがいしての出張買取も対応させていただきます、まずはご連絡ください!