書道の買取事例『西川寧著作集』二玄社

『西川寧著作集』全10巻 二玄社 トップ画像

20世紀を代表する書家・西川寧の著作集(全10巻揃)をお譲りいただきました。1902年(明治35年)に生まれ昭和が終わった直後の1989年5月に亡くなられた、まさに「昭和の三筆」の一人。「書の巨人」とも呼ばれ、現代書道に大きな影響を及ぼす強いインパクトのある作品を残しています。

また、金石や中国文学の研究にも勤しみ、西域から出土した木簡や帛書(絹に書かれた書)を書道史的に研究。古文書書家として初の文化勲章を受章しています。寧の父は明治から大正にかけての書の大家であり、寧自身も幼少時から父の集めた書跡や拓本を玩具替わりにして親しんでいたといいます。

昭和8年には父・春洞の系統を中心とする謙慎書道会(謙慎は春洞の堂号に由来しています)を創立しました。さらに寧の息子である西川杏太郎は美術史の研究家であり、日本彫刻史や文化財保存学を専門としていました。杏太郎は2023年に没していますが、1993年に発行された本書の編集にも参加しています。

本書では第1巻から第3巻にかけて『中国書法叢考』を収録。さらに第4巻の『西域出土晋代墨蹟の書道史的研究』では図版も最多点数の120点を収録。5巻は現代書考、以後雑纂(6~8巻)、周詩溯源/文苑(9巻)、展観解題/書論集成/書人輯略(10巻)など、寧の各著作や、中国および本邦の書論等を収録。

中国書史についてはもちろん、西川春洞から寧へと受け継がれ杏太郎が編んだ、明治から昭和にかけての近代日本の書史・書学の親子三代の集大成といえるでしょう。

『西川寧著作集』全10巻 二玄社 背表紙

古書店三月兎之杜では、書道に関する専門書の買取をお待ちしております。各種専門書の中でも書道関連書は、収録される図版も多くなりがちで、判型も非常に大判かつ分厚くなるケースが多いと思います。そのため荷造りや発送作業も大変なのですが、当社では量に応じて出張買取も行っております。ぜひご相談ください。

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