神道の本買取事例『川面凡児全集』八幡書店

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明治から大正期にかけての神道家・川面凡児の全集をお譲りいただきました、ありがとうございます。長らく日本の風土や地域習慣と結びつき、原典による教義や解釈による流派などが発生しにくい神道を研究し理論化、体系化した人物となります。

川面の提唱した「祖神の垂示」では、人間は神の子であり究極的には神そのものと位置づけています。人間の本体が神の分霊であると捉え、本を読んだり講演を聴くといった知性のみではなく、自ら祝詞、禊などの行を実践することで人間として進歩すると説きました。

こうした思想から稜威会を創立し、神道を広めます。中でも川面が体系化した禊の行法は各地で支持され、滝行や海浜での禊行事が流行しました。その禊行の第1回は明治42年1月18日(偶然ですが記事執筆時がこの日でした)、片瀬海岸で行われたと記録されています。

川面の死後となりますが禊行は後の太平洋戦争の時期に、皇紀などの神道思想や修身教育の普及とあわせ神道関係者に支持され全国的に普及します。現在でも寒中の禊神事や寒中水泳などの形で残っていますね。政治家が口にする「みそぎ」もこの思想の名残といえます。

『川面凡児全集』全10巻揃 書籍

川面はその経歴の中で当初は政治家を目指し私塾経営や雑誌創刊、宗教学に転じて後も雑誌や新聞の主筆などを手掛け、自身が記した著作も多く残されています。今回の全集には『日本古典真義』(第1巻、第2巻)『天照大神宮』(第3巻)『大日本神典』(第4巻)といった作品が収録されています。

上記3作ほか、多くの作品タイトルからやはりお堅い印象がありますが、第10巻収録作品などは『人間未発天狗界』『寒中禊と外人の質問』『達磨』『たからぶね』と、ちょっと読んでみたいかもというタイトルが並びます。たしかに明治大正期の外国人が寒中禊を見たらどういうリアクションをとるのか、単純に気になりますよね。

古書店三月兎之杜では、神道・古神道の専門書の買取をお待ちしております。大量買取には出張買取をご利用ください!

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