1986年にアイドルグラビア誌としてミリオン出版から創刊された『URECCO|ウレッコ』と、同誌から2002年に派生するかたちで創刊したギャルメイクモデル中心の『URECCO gal』、増刊号となる『COSPET』をお譲りいただきました。
『URECCO』に登場するアイドルはセクシー系タレントやAV女優をスタイリッシュに撮り下ろしたグラビアが中心の構成でした。
しかし末期はエロ方向へと方向性を変え、2007年に休刊します。最後の4冊は発行元が大洋書房に替わっていますが、両社は関連会社です。URECCOの頃は別社屋だったようですが、2010年代には同じ九段下の大洋ビルに同居していました。
同誌を発行していたミリオン出版は『URECCO』のほかにも90年代にはいわゆるお菓子系の先駆けとなった『クリーム』など、アダルトジャンルを中心とした出版社です。
しかし1986年にツーリング雑誌『アウトライダー』、1989年にレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』、1994年にはサブカル系雑誌『GON!』、1995年に元祖ギャル雑誌『egg』を創刊するなど、多彩なジャンルを展開していきました。
2000年代には『GON!』から派生するかたちで『実話ナックルズ』が創刊。また、「トランスフォーマージェネレーション(当初はケイブンシャ刊ムックの再版、のちに不定期刊行化)」シリーズなど、ホビーやコミックジャンルにも進出しています。
しかし2010年代に入ると社内体制の変更などに伴い、非アダルト向けブランド「グライドメディア」を三和出版傘下のメディアボーイに譲渡。トランスフォーマージェネレーションや昭和のヒーローものを中心とした復刻漫画をリリースしていた「ヒーローX」ブランドも、メディアボーイ、そして現在は竹書房に移行しています。
エロスからオタク、モーターサイクル、アウトローまで、けっして大手とはいえない規模ながらも様々なメディアを創出したミリオン出版。最終的には2018年に母体である大洋図書に吸収され解散となりましたが、その魂は現在も様々なかたちで連綿と続いています。
そうした出版社や編集者に焦点を当てて、お手元のエロ雑誌を眺めてみても面白いかもしれませんよ?
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