平凡出版(現:マガジンハウス)の雑誌「平凡」は、1945年に文芸娯楽雑誌としてより発行されました。しかし売上不振により48年から大衆娯楽誌へと方針転換。それまで雲の上の存在に近く、大衆とは断絶していたスターたちをタレント化し、読者にとって身近な存在にしていきました。本誌においてもステージの上ではなく、日常の風景で青春を満喫する若者としてのスターたちの姿を見ることができます。
今回は複数年にわたってお譲りいただきましたうち、1979年の12冊の写真を掲載。当時の思い出と共に4月号までの4冊をご紹介します。
1月号 クリスマス特別号
実際の発行はまだ前年の78年12月。表紙はすでにこの時期トップスターだったともいえるジュリーこと沢田研二がセンター。そして77年にデビューし、人気上昇中だった榊原郁恵と石野真子の二人です。世良公則&ツイストの「プライベート大追跡!」や影山ヒロノブ率いるレイジーに「いちばんHなのはだれだ?」と迫るなど、等身大のアイドルの姿を追っていたことが窺えます。
2月号 新春超特大号
表紙は郷ひろみと、新年号にふさわしい着物姿のピンク・レディー。「デラックス付録」の79年カレンダーは、12大スターが各月を担当する豪華さです。女性アイドル、男性アイドル、ロックバンド、ニューミュージック……、全てのジャンルのスターが一つの雑誌に載っているのは今となっては不思議に見えますね。80年代以降、人々のし好が細分化していく最後の時代といえるかもしれません。
3月号 若さでアタック! 大挑戦号
西城秀樹、川崎真世、榊原郁恵の3人が表紙。大御所と若手の組み合わせがパターンのようですね。スーパー対談の沢田研二vs西城秀樹という組み合わせも惹かれますね。個人的にはムー一族のさよならプレゼントが気になります。
4月号 春に燃えよう号
郷ひろみ、アグネス・チャン、石野真子が表紙。アリス、ツイスト、ゴダイゴのポスターというのもすごいですね。大別冊フラッシュ付録にある「ハンディサイズデラックス歌本」ですが、これは当時のヒット曲の歌詞や一部はコードなどが収録した冊子です。こうした歌本がほぼ毎月付録としてついてきました。実は当時これが目当てで時々本誌や「明星」を買ってもらっていました。今のように気になる曲に出会った時、レコードそのものを買う以外に歌詞に触れることはできませんでした。そこでこうした歌本でとりあえず歌詞を知り、スターの歌真似をしたものです。
以後の号も表紙を見ると気になる記事がたくさんありました。いずれ機会があれば残りの月や、他の年の本誌についてもご紹介したいですね。
時代を映す大衆娯楽誌。自分も今回のアイテムを見て、当時の記憶がぶわっと蘇りました。他の時代にもそれぞれ時代ごとに、こうした雑誌があるのでしょうね。
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