”縛り係”を称しました(彼は縛師という言葉を嫌いました)、故・濡木痴夢男氏主催の<緊美研>(緊縛美研究会)の会報誌を創刊号から20冊買取させて頂きました。どうも有難うございました。
同誌は1989年の創刊から、99年の第23号を終刊号として約10年間発行されました。
緊美研には、後に弟子となり「奈加スタイル」を確立する奈加あきら氏や、Dogma総帥のTOHJIRO監督、あのS&Mスナイパーでお馴染み、大洋図書の会長であり”雪村春童”として雪村春樹氏の一番弟子でもあった小出英二氏なども参加しておりました。大洋図書からは『別冊緊美研通信』も発売されておりましたね(雪村春樹も紙面で参加)。
『日本緊縛師列伝 縄師の肖像』(三和出版)収録の奈加あきら氏のインタビュー記事を読むと、各会員が相互に縛るというよりも、濡木氏の縛りを皆で鑑賞する方法がとられていたそうです。ちなみに奈加氏は濡木氏が縛った縄を解く役目でずいぶん勉強となったと述懐しております。
さて、濡木痴夢男氏、SM雑誌に執筆時には様々なペンネームを使い分けておりましたが、2007年には『天狗のいたずら』(田端六六:名義)で「第5回北区内田康夫ミステリー文学賞」の大賞を受賞しているのは意外と知られていないかもしれません。”田端”は濡木氏が北区田端に住んでいたからでしょう。かつての田端文士村の風土を好んだのでしょうか?お話としては江戸時代の王子付近を舞台にしたミステリーとのこと、どのような小説だったのか一度読んでみたいですね。
一時代を牽引した濡木痴夢男氏。緊縛もロープアートとしてポップカルチャー的に世界へ広がり始めています。濡木氏が存命だったら、今の状況をどう見ているのでしょう。新しいものが好きだった濡木氏、もしかしたら意外と賛同するかもしれません?マニアとは真摯に向き合った濡木氏。その再評価を待つには、まだ亡くなってからの年月が浅すぎるのかもしれません。
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