白洲正子全集を全巻揃いでお譲りいただきありがとうございます。
白洲正子(しらすまさこ)さんは幼い頃から「能」を習い、古美術修行で目利きと美意識を研鑽しました。ご自身体験や知識から得た直感力を筆にしたためる随筆家です。
能をはじめ日本文化に対して独自の感性を持っており、その思想は執筆のみならず彼女が愛した着物や華などからにも滲み出ており、足るを知る独特の美しさをもたらしています。
2016年に松屋銀座で「白洲正子ときもの」展が開催された時に、正子さんも良く着用していた普段着の紬で行こうとした所、友人からは「お出かけなんだからもっと華やかな着物を着ていけばいいのに」と言われてしまいました。銀座ですしね。正論です。
ということで附下げで洒落込み、「一歩退いたおしゃれ」への感動を持ち帰りました。また開催してほしいと想う今日このごろです。
銀座の後、阪急うめだ本店でも開催されて、そちらは着物を来ていくと無料になったそうですね。着物人口は減少の一途を辿っているので、日本の何処かで着物が盛り上がっていると聞くと嬉しくなります。
話が逸れてしまいました。白洲正子さんもよく話が逸れガチなので、ご愛嬌ということで。
読売文学賞を受賞した『能面』や『かくれ里』もラインナップに含まれています。
個人的には『日本のたくみ』 が一番好きで、量産・効率化が求められる時代で静かに業を守り抜く職人の情熱と誇りがジンジンと伝わってきます。
彼女の作品は日本古典文学の再読も評価を得ており、中世に対する憧れと偏愛へ切り込み、性欲の文化学者にも影響をあたえたそうです。
『両性具有の美』なんかは男色や稚児について論じられており、いまでいう「腐女子」の方々にも刺さる本となっております。
広義で「日本文化」とは言ったものの、職人・伝統芸能・腐女子…といった具合に多岐にわたって白洲正子という人が向き合ってきたヒト・コト・モノを実感できる全集となっています。
もし、全集のご整理をお考えの方はぜひ古書店三月兎之杜の全集の買取に関するページをご覧下さい。
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