今では大変貴重な、ポプラ社の江戸川乱歩『少年探偵』シリーズを全巻お揃でお売り頂きました。どうも有難うございました。
ポプラ社のシリーズとしては、南洋一郎訳の「怪盗ルパン」シリーズも有名ですね。この少年探偵団シリーズも小学校の図書室などで見かけたことがあるかと思います。子供向けには似合わない?おどろおどろしい表紙が印象的な全集です。ちなみに、背表紙のマークも西洋甲冑だったり、黄金仮面だったりと、年代によって相違があります。
皆様ご存知、江戸川乱歩が1936年~1962年にかけて書いた小説で、明智小五郎と小林少年ひきいる少年探偵団、浮浪児たちが集まったチンピラ別働隊が活躍する冒険推理小説です。
2008年に文庫化された時に再度読み直しましたが、あっという間に全巻読み終わりました。物語の展開にするすると引き込まれていく勢いは、大人になって読んでも衰えていません。その時、小学生の時には気にしなかった事が、ひとつ気になりました。 明智小五郎が住んでいるのが、どうやら千代田区麹町界隈で、少年探偵団の隊員が住んでいるのが玉川電車が走っていた世田谷区あたりという事に気づき、戦前戦後の麹町や世田谷というのは夜になると薄暗く気味の悪いところだったのか・・・と想像しました。
さて、冒頭に「大変貴重」なと書きましたが、その理由は現在は後半の27巻から最期までの約20冊が絶版だからです。
・27巻「黄金仮面」 ・28巻「呪いの指紋」 ・29巻「魔術師」 ・30巻「大暗室」 ・31巻「赤い妖虫」
・32巻「地獄の仮面」 ・33巻「黒い魔女」 ・34巻「緑衣の鬼」 ・35巻「地獄の道化師」 ・36巻「影男」
・37巻「暗黒星」 ・38巻「白い羽根の謎」 ・39巻「死の十字路」 ・40巻「恐怖の魔人王」 ・41巻「一寸法師」
・42巻「蜘蛛男」 ・43巻「幽鬼の塔」 ・44巻「人間豹」 ・45巻「時計塔の秘密」 ・46巻「三角館の恐怖」
実は、この後半20巻は江戸川乱歩が書いた作品を別の作家が書き直したもので(リライト)、正確には江戸川乱歩作とはいえないものです。 そのため江戸川乱歩全集として刊行するのはちょっとまずいと思ったのでしょう。そのため、これ以降絶版となっていて27巻以降は貴重本なのです。
ちなみに同じくポプラ社の「怪盗ルパン」シリーズも、訳者の南洋一郎がリライトしております。今では滅多にお目にかかることのない手法ですし、リライト版で子供時代を過ごした者としては、今思い返しますと、それはそれで当時としての味があったと懐かしく思います。
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