『ロラン・バルト著作集』(みすず書房/全巻揃)が入荷致しましたのでご紹介いたします。
フランスの哲学者、批評家のロランバルトの全集が入荷致しました。『作品からテクストへ』や『作者の死』などの著作で有名な方ですね。
「テキスト」ではなくて「テクスト」というのは、あまり馴染みのない言葉かなと思いますが、こちらは作品という言葉から区別して中立な用語として文学の世界ではよく使われるものです。
さて、なんで「作品」という言葉を使わず、わざわざ「テクスト」と呼称するかといいますと、「作品」という言葉には作者の存在がどうしても紐づけられてしまっているので、それと区別してあくまでその文章、文芸作品だけを指す為に使われるんですね。よく国語の授業なんかで「この文章を作者は何を考えて書いていましたか?」 なんて問題が出たりしますが、当人が解いてみたら不正解であった。なんて例え話はよくありますよね。この状況では作者は完全に作品から切り離されているわけです。何故なら作者の答えは正解になっていない訳ですから。しばしば私たちは「作者は作品において絶対の神である」なんて考えてしまいますが、これは別に不変の真理でもなんでもなく、一つの考え方でしかない訳です。作者が考えてなかった解釈がなされるというのはよくある話ですしね。
ロランバルトは先ほどの例のように作品と作者は切り離された存在だとし、作品とは様々なものが引用されてできた織物のようなもので「作者は作品を支配できない、一度世に出れば読者に解釈を任せなければならない」と主張します。これが有名な著作『作者の死』ですね。こういった考えから「作品」と区別して「テクスト」って言葉を使うようにしたんですね。
ロランバルトは常に受けて側に立って、その作品の解釈の可能性を考察してきた人です。彼の著作を読むと今までと違った作品の見方ができて面白いんじゃないかと思いますので是非お手に取ってみて欲しいです。
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