『マンハイム全集』(潮出版社/全巻揃)が入荷致しましたのでご紹介します。
知識社会学を構想したハンガリーのユダヤ人社会学者カール・マンハイムの著作を集めた全集になります。
全集ではありますが、彼は前述のとおり社会学者なので物語といった作品ではなく論文などが主になっています。
さてそんなマンハイムがどんな事を言っていた学者かと言いますと、当時はマルクス主義が非常に流行っていた時代だったこともあり、マルクス主義についての批判を行っています。あの時代マルクス主義はある種完璧な理論として大衆に支持されたのですが、結局その考え方だって物事を認識する仕方の1つに過ぎないのだと主張したんですね。現在の私たちからすればそれは当たり前の事だと、後の時代に起こった事を知っているので言えますが、当時は資本主義がある程度浸透した中で歪み生じ始めていて、世界が新しい基盤を欲していた時期でもあったりしたので、マルクス主義がちょうど時代と合致していたんですね。
そんなマンハイムが提唱したのが知識社会学です。簡単に言えば、人間の思想ってものはその個人だけで生み出された物じゃなくて、その時代の社会的歴史的状況との関係性の中形成されるんだからそういった事も加味して把握しようとすることで、まずは自分がそのある立場からの視点で物事を見ているって事を自覚しよう。という考え方です。今でも何となく通じることのある話ではないでしょうか。
マンハイムのマルクス主義の批判などの中にある冷静な分析は、今日の自分たちにもハッとさせられる部分があるのではないかと思います。マンハイム自身、彼の主張するそういった立場を自覚した「浮動する知的存在」になれていたか、と言われれば難しい所ではありますが、少なくとも彼の考え方は覚えておいて損はないんじゃないかと、またこの全集の訳者は大変有名な大河内氏らが行っているので大変信頼できるものとなっています。
『マンハイム全集』のご紹介でした。
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