『菊池寛全集』(全巻揃)を買取でお譲り頂きました。どうも有難うございました。
日本の文芸界に多大な功績を残した菊池寛。文芸春秋社を立ち上げ、芥川賞や直木賞を創設し作家が食べていける環境を整備した人物として有名ですね。これだけでも実業家としての実績は申し分なしで十分に凄い人なのですが、さらに文筆家としても優秀な人間でした。そんな菊池寛の作品を集めた全集となります。
1巻は戯曲を集めた巻で、あの有名な『父帰る』も勿論収録されています。今読んでも長男の怒りはもっともな気が自分はしていますが、皆さんはどう思いますか?1巻の解説には『ひょっこりひょうたん島』を始めとして、様々な著名な作品を手掛けた作家井上ひさしさんが筆を執っています、なんとも贅沢です。別の巻では久米正雄先生や吉川英治先生が書いていたりと豪華な顔ぶれが、解説だけでも大変価値のあるものとなっています。
写真にも写っていますが愛煙家だったそうです。灰皿に灰を落とす習慣が無かったようで家が焦げ跡だらけだったとか。よく火事にならなかったなと思ってしまいます。
実業家兼作家という肩書だけを見ると、真面目な人物だったのかなという印象を持ってしまいますが、かなりの遊び人でもあったそうで、特に麻雀、競馬、将棋にお熱だったようです。ギャンブルについて「ギャンブルは、絶対使っちゃいけない金に手を付けてからが本当の勝負だ。」なんて過激なコメントを残していたりも。麻雀においては日本麻雀聯盟の初代総裁を務めたり、競馬では馬主として東京優駿に出るなどこちらの分野でも様々な功績を残しています。作家は基本的にお金がないと考え、よく作家に出会う度にお金を相手のポケットなどに無理やり突っ込んでいたという逸話も残っています。本当に面倒見のよく豪快な方だったんでしょうね。彼の豪胆さと親切さが無ければ今日の日本文学は存在しえないわけですから、何とも特異な人だったなぁと感じます。これくらい破天荒じゃないと偉業は残せないという事なんでしょうか。
今日の日本文学に多大な寄与をした作家菊池寛の全集のご紹介でした。
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近年は読書事情の問題などで、お値段をお付けするのが難しい本もありますが、しかしまだまだ価値の付けられる本は数多くありますので、まずは当店にお気軽にご相談ください。
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