『国枝史郎伝奇全集 全7巻揃』(未知谷) を、宅配買い取りにてお売り頂きました。
国枝史郎(くにえだ しろう 1887年10月4日~ 1943年4月8日)は、全集のタイトル通り、怪奇・幻想・耽美的な伝奇小説家です。(他にも探偵小説、戯曲なども執筆しています)
国枝史郎本人が、『国枝史郎伝奇全集』について、こう書いています。
「猟奇的のものでございます。忠実が五分に空想が五分、そういう作品もございます。伝説が五分に空想が五分、そういう作品もございます。全然忠実や伝説によらず、時代と人物の名だけ借りて、全部空想で作った作、そういうのもございます。作者の持っている空想境へ、読者諸君を誘って、麻痺陶酔を強いることによって、読者諸君を喜ばせ、作者自身も喜びたいというのが、作者の願いでありました。」
とくに代表作と言われる「神州纐纈城」は、陰惨怪奇、神秘的色彩の濃いその特異な作品世界が高く評価されて、三島由紀夫からも「文藻のゆたかさと、部分的ながら幻想美の高さと、その文章のみごとさと、今読んでも少しも古くならぬ現代性とに驚いた。その気稟の高さは比較を絶している。」と絶賛される程です。そして、これが後に続く、江戸川乱歩、小栗虫太郎、夢野久作、久生十蘭などなど、怪奇幻想もののブームのさきがけとなったと言われています。
また、『国枝史郎伝奇全集』(未知谷)の外観は一巻一巻違っており、こちらも絵柄が神秘的になっているので、ご紹介していきます。
[第一巻]
[第二巻]
[第三巻]
[第四巻]
[第五巻]
[第六巻]
[第七巻]
どの巻も、国枝史郎の怪奇的で幻想的、そして耽美な世界観が出ていますよね。(ちなみに本のデザインは横尾忠則が手がけていて、横尾忠則 初のブックデザイン展にも展示されました。)
古書店三月兎之杜では、このような皆様がお持ちになっている全集、作品集の買取を積極的に行っております。ですが中には初期の頃の旧版、日本、世界文学全集など、悲しい事に買取が難しくなってしまったご本もございますが、出版社と書名、お分かりであればお持ちの冊数をお教えいただければ買取可能かのご判断ができますので、処分をしようなどと決めつける前にご相談だけでもお気軽に頂けますと幸いです。
以前は、江戸川乱歩全集 全25巻を宅配にて買取りさせて頂きました。
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