豆本の買取が出来る古本屋さんは少ないせいでしょうか、全国のコレクター様から数多くのコレクションをお譲り頂き、とても嬉しく思っております。有難うございます。
ここでは、古書店三月兎之杜で買取させて頂きました豆本を、ごく一部ですがご紹介させて頂きましょう。
とにかく豆本は見れば一目瞭然!それでは早速にご紹介致しましょう。
(1)こつう豆本
(古通豆本 『棟方志功本』 牧野正恭/ 特装版250部/ 昭和52年)
古書愛好家向けの雑誌「「月刊・日本古書通信」でお馴染み、日本古書通信社から発行されている「古通豆本(こつうまめほん)」。もともとは大阪万博(昭和45年)の屋台で各地の豆本を売る企画に参加し、それなら出店に併せて自分達でも豆本を造ってみよう、ということで刊行を開始したそうです。
版画家で童画家、童話作家である 武井武雄(明治27年~昭和58年)は139冊の豆本を刊行しました。これは会員制で販売されており、ただしすぐに正会員になれず、最初は我慢会という制度で何年か待機が必要という、厳格な会員制度だったようです。更に、ご本に曰く「当会では豆本という言葉は禁句」だそうで、武井刊本と呼ばれています。
(3)自由な編集
(『わが読書目録』『湖国の夢』など4冊/由良君美/ 未来工房/平成7年)
昭和54年創業の「未来工房」も豆本の出版社として有名です。後述するように著名作家の限定版も数多く出版しております。
こちらはガラスケースに入ったお洒落な4冊セット。
(「さいたま豆本」 『パンティー股はショーツ考』 横井公了/ 限定300部/昭和58年)
このように豆本の魅了として、枠に囚われない自由な編集という点があります。
先の武井武雄も著書『本とその周辺』(中央公論社/昭和35年)で述べている点は「一度でいいから人の気のすむ程のものをつくってみたいという潜在的な欲望を植えつけていたに相違ない。このはけ口が豆本となり、次第に余興ではなくて作品の追求にもっていった原動力であったと考えている。」という点です。
ご紹介した上記の本は、少々ジョークがキツめですが、自由な編集の一例と言えるでしょう。
※閑話休題「日本豆本協会」について
豆本にご興味のおありの方は、日本豆本協会のサイトをご覧になると良いかもしれません。
会長の田中栞さんは知る人ぞ知る、横浜の古本屋「黄麦堂」(現在はネット専門店)の奥様で『古本屋の女房』(平凡社/平成16年)をお出しになられた方でもいらっしゃいます。
お子さんを道連れに全国セドリ旅、面白おかしい、そして最後はちょっと現実的な問題が起こってしまう、古本屋さんの物語です。是非ご一読を!(なお田中栞さんのブログでは豆本のワークショップを告知しております)
(4)有名人の豆本
前述の通り、未来工房より出版された一例をご紹介致します。
・浅田次郎
3.最後に
その他で言えば、例えば洋酒マメ天国といった豆本もございまして、豆本という装丁を好み、コレクションとしても良し、洋酒についての解説を読んでも良し、といったものもございます。
また、虫眼鏡で見ないと読めない米粒大のマイクロブックはこちらのブログでご紹介させて頂きました。
とにかく、奥が深い豆本。このブログではごく一部のさわりをご紹介させて頂きました。ご興味のある方は、是非、この機会に豆本の世界に飛び込んでみては如何でしょうか。
※参考文献
・『私の稀覯本<豆本とその周辺>』(今井田勲/丸ノ内出版/昭和51年)
・『彷書月刊』1994年9月号、同2008年6月号
豆本は特殊なご本、趣味のご本になりますので、取扱が出来る古書店は多くはありません。
その中、弊店古書店三月兎之杜では、数多くの豆本買取りのご依頼を承っております。
詳しくは、
・古書店三月兎之杜の豆本・ミニチュアブック・マイクロブック買取のWEBサイト、
・買取ご相談フォーム、
・フリーダイヤル(012-996-504:10-20時/年中無休)、
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心よりお待ちしております。