「旅猫リポート/有川浩」感想レビュー ネタバレ注意

旅猫リポート
本当は単行本版が欲しかったのですが・・・すぐに読みたかった私は我慢できずに文庫版を購入してしまいました。最近中々ゆっくりと読書する時間が取れていなかったのですが、ツイッターのフォロワーさんから教えていただいた旅猫リポートを一気に読み終えました!(おすすめがあるよ!というお優しい方がおりましたら、是非ツイッターから教えていただけると嬉しいです!)読み終えたら感想を書いていきます!

感想はネタバレを大いに含みますので、ご注意ください。
旅猫リポート 裏表紙
あらすじとしては、このようになっております。
私はネタバレを読んでしまってからだと楽しめないので、大体はあらすじを少し読んでから決めます。

猫目線でも語られていくお話なのですが、それがまた引き込まれていくんですよ。そしてまず読み終えた感想なんですが…もうどこからなんと言ってよいのか…。とにかく色々な箇所で泣けてしまいます…。

宮脇悟(みやわき さとる)
猫のナナ

この一人と一匹の旅(リポート)が全7章で語られていて、あらすじにある通り、悟のとある事情で飼えなくなったナナの貰い手を探しにいくという旅なわけですが、その事情について尋ねられると、悟はきまってばつが悪そうにします。

探しに行くとはいっても悟の昔の友人であり、勿論事前に連絡を取ってあるのですが、その友人関係が深くてまた…旅が進むにつれて私は悟が好きになっていきましたね。私も悟みたいな人間になりたかったという高校の頃の友達、スギという人物も貰い手候補として出てくるのですが、彼の気持ちにも共感できました。

そして何といっても猫のナナ。
旅の最初の頃は、別にまた一緒に住む前の状態に戻るだけだ。
野良であった僕にはどうということはない。僕は何も失っていない。ナナって名前と、サトルと暮らした5年を得ただけだ。だからそんな困った顔すんなよ。

こういうスタンスで、人間と同じように語っていく、猫でありながらも自分をしっかりと持っている猫です。

私も初めは別れることには強いクールなタイプの猫なのかなと思っていたのですが、そんなことない事が読みながら段々と分かっていきます。それがまた辛い。

結局毎度何らかの理由によってナナを引き取ってもらえない、というよりは、相手が飼っても良いといっているのに悟の判断により、これじゃあナナを引き取ってもらうのは無理そうだね、と連れて帰り、次の友人の元へと移動するのですが、その時の帰りの車の中での悟とナナの嬉しそうな態度っていったら…『良かった、これでまだサトルと一緒に旅ができる』ナナはもう、はなから貰われる気がなかったんですよね。

なんとか貰われないようにナナもナナなりに行動を起こしているし、悟に吠えてくる犬に対しても、僕の悟に手を出したらただじゃ済まさないぞ!と物凄い剣幕で守ろうとしたり。

極めつけは悟がナナを飼えなくなった理由。
これについては私も最初から一体どんな理由なのか考えながら読んでいましたが、結局ある章までは分かりませんでした。この理由については、まんまとやられました。何故分からなかったのか正直悔しかったのですが、分かった時には鳥肌が立ってしまいました。

その理由が分かる時というのは、貰い手候補者の友人宅でナナとその友人の飼い犬が話している(言い合いをしている)時なんですが、この時のナナの台詞『僕は黙れと言ったんだ!』

もう一気に涙がブワっ!となりました(笑)
飼えなくなった理由についてもナナは最初から分かっていたんですよね。そして途中からではなく、ナナ自身も元から、悟と出会った頃から、悟の事が大好きで大好きで仕方なかったんです。

この二人の相思相愛ぶりにも何度泣かされたか(笑)
悟のような素晴らしい人と出会えたナナも、ナナのような素晴らしい猫に出会えた悟も、本当に良かった。もう猫を見る目が完璧に変わってしまいました。最後も当然(;ω;)ブワッ
親猫です子猫です
そして近くの倉庫に子猫と親猫がいたという。
可愛かった。

本当はもっともっと感想を話したいのですが、キリがなくなってしまいそうなので、ここまでにします。今回教えてくれたフォロワーさん、本当にありがとうございました。この旅猫リポート、2018年に映画化される事が決まっているんですよね!絶対観に行きたいと思います!

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