日本の名随筆を宅配にて買い取りさせて頂きました(全175冊/作品社)

日本の名随筆です
この度は、弊店でもメールからと同じくらいお問い合わせを頂く、ライン査定からのお見積もりのご相談でした。お写真をお送り頂くだけで事前のお見積もりが可能ですので、宜しければ皆様もご活用頂けますと幸いです。

そして今回お見積もりをご希望だったご本、それが『日本の名随筆』です。
今回はこちらの名随筆についてご紹介していきたいと思います。
日本の名随筆の別巻 裏表紙
本巻だけでも全100冊、別巻を含むと全175冊ございまして、全冊すべてお持ちというケースは中々お珍しいのですが、この度は完全揃いの状態で買い取りさせて頂きました。こちらは別巻の裏表紙になりまして、一部の巻の収録されている著者だけを見てみても有名どころな作家にすぐ目がいきますね。さすが日本の”名”随筆。

そして皆様は、まずどなたの名前が目に留まったでしょうか。
おそらく三島由紀夫吉行淳之介が一般的にすぐ目に付くのではないかなと思います。
ちなみに随筆とは、簡単にいえば感想、その考えをまとめた文章の事です。
収録作品総索引
それぞれに総索引が付いておりますので、1巻から順番に読んでもいいのですが、読みたい作品から探して読んでもよしです。試しに索引から探してみましょう。
日本の名随筆 別巻 総索引内容
私は別巻の総索引から「呉清源」を探して読んでみました。
呉清源は囲碁の棋士として名を馳せており、囲碁大系など囲碁に関するご本をお売り頂く際には必ず目にします。呉清源全集もそうですが、本因坊道策の道策全集も有名ですね。

日本の名随筆 別巻日本の名随筆 別巻 表紙
掲載されているのがこちらの別巻の第1巻。
表紙からして既にお分かりかと思いますが、こちらの巻には囲碁に関する話がまとめられており、有名棋士の随筆を読むことが出来ます。

この中の呉清源氏の談に、このような事が書かれています。

「よく人から棋道の上達法、研究方針を質問されますが、私は碁の修行には二つの途があり、それを併用してこそ、初めて優曇華の花が咲くと信じております。その二途とは、第一が手段の研究、第二が精神(こころ)の修行であります。」

素晴らしい人物というのは出てくる言葉も素晴らしいですね。私も見習いたいものです。
上手な人に上達法やコツを聞いてみるというのもやはり上手くなっていく方法の内の一つですが、ただ聞いてみるだけでは身になりません。聞く前に自分なりにも考えてみたのか、その話をどう生かすのか、考え方や取り組む姿勢、過程が大事だと私は思うのです。呉清源氏もまた大名人を目指し、常に精進を続けておりました。

第一の手段の研究は、誰かに言われるまでもなく、その道を目指す人が最初に行う事だとは思いますが、これに併せて精神の修行というのが大切であると私も読みながらにして感じました。

これもまた呉清源氏はこのように例えております。
「精神の修行、これを鏡に例えて見ますと、手段の研究が表面の埃を拭き取る工作だったのに比して、これは鏡を奥底から、真底から光らせる作業なのであります。」

それをやってのけてきた呉清源氏からだからこそ、その言葉に重みがあると思います。優曇華の花というのも想像上の中だけの植物であり、それがいつか花咲くというのは極めて珍しい事であるという意味の言い回しからきています。蕾がいつか花開くという言葉とは別の達成感が込められた言い方ですよね。
日本の名随筆 別巻
今回は囲碁に焦点を合わせてご紹介させて頂きましたが、囲碁に限らず様々な文学作品の思想を読み解く事が出来、ご自身の観念を改めさせられる内容となっておりますので、興味がございましたら一度手に取って頂ければと思います。


日本文学全集や世界文学全集など、悲しい事に今では買い取りさせて頂くことが難しくなってしまった文学全集もございますが、その中でもまだまだお値段をお付けすることが出来るご本も数多くございます。古い本だけど捨てるのは忍びないという、ご本を大切にされていた皆様のお気持ちも重々承知しておりますので、まずはご相談からでもお気軽にお問合わせくださいませ。

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