放哉全集 全3巻揃 筑摩書房 月報揃 2001年発行
この度は、全集としては珍しく冊数の少ない全3冊でまとめられている放哉全集をお売り頂きました。
尾崎放哉(おざき ほうさい)は、明治から大正にかけて活躍していた偉大な俳人の一人です。他にも種田山頭火、正岡子規、小林一茶らは言うまでもなく知られておりますが、実は夏目漱石も数々の俳句を残しております。小説ばかりが広まっているため、あまり知られていないかもしれませんね。
「鳴くならば 満月になけ ほととぎす」
こちらが漱石の句になりまして、季語は時鳥、季節は夏です。
正岡子規と漱石は親友だったのですが、漱石から子規に向けて大学の卒業を薦めている意味合いの句となります。時鳥を子規に当てはめているのですが、子規と漱石の関係性を話すには中々語りつくせない部分でもあるので、それはまたの機会と致しましょう。
話が放哉から逸れましたが、こちらの1巻が句集、2巻が書簡集、3巻が随想となっております。
放哉についてご説明する前に、まずはいくつか私が特に気なった句からご覧頂きましょう。
「節分の豆をだまつてたべて居る」
「こんなよい月を一人で見て寝る」
「すばらしい乳房だ蚊が居る」
どうでしょうか、思わず何言ってんの!?と、ツッコミたくなりませんか(笑)
そして俳句なのに語呂が合わないと感じている事かと思います。
放哉が得意としていたのは、このような句の”自由律俳句”というものなんですよ。その名の通り、通常の五七五の定型や季題に縛られる事なく、自由に詠めるというのが特徴的で、尚且つ放哉の独特なユーモア溢れた俳句が私は好きなんですよね。クスリとしてしまいます。
時代別に放哉の句が掲載されています。
ちなみに下の方に書いてある『ホトトギス』というのは、先程も少しお話した子規の創刊した俳句雑誌の事です。
そして先程とはまた違うのがこちらの句。
「咳をしても一人」
おそらくは放哉の中で一番有名な句でしょう。
この句一つでなんとも言い表しがたい孤独感が詰まっています。
死が直前まで迫っている中、咳をしても心配される事はおろか、周りには誰も居ないという・・・。この句の感じ方をただの孤独感を感じるだけで終える方、その咳を一人で聞いて、なんとなくおかしく感じてしまって、というような放哉の心情を感じ取りユーモアに捉える方、貴方はどちらでしょうか。
それ故にこの句だけで世間の心を掴んだのかもしれませんね。
古書店三月兎之杜では、このような全集から、俳句に関するご本は勿論、様々な分野の古本、専門書の買い取りを積極的に行っております。皆様の大切にされていたご本は次のお求めになられる方へとしっかりお引継ぎ致しますので、整理等で止む無く売却をお考えの方がおりましたら、是非一度弊店までご相談ください。
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